2016.08.18
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きょうだいげんか、親はどう対応する?

第87回目のテーマは「ささいなことで連日けんかをする4歳と6歳の姉妹。時に手が出たり、大泣きしたりするので困ってしまいます」です。

連日繰り返されるきょうだいげんかにウンザリ・・・

妹「お姉ちゃんがおもちゃとった!」
姉「○○(妹)ちゃんが私のこと叩いた!」
 などと、連日ささいなことでけんかを始める4歳と6歳の姉妹。そのお母さんから「どうしたらよいでしょうか」と質問が届きました。

我が家の3人兄弟は小さい頃からほとんどけんかをしませんでした。上 の二人は3歳違いで、年も離れていないので、けんかをしないというとよく驚かれます。実は、私は子育てをする時に、兄弟が仲良くなれるよう、ある工夫をし ていました。今月は、きょうだいげんかをなくすために親ができることについて考えます。

きょうだい同士が愛情を感じるように仕向ける

私は、次男がお腹にいる時から長男に「もうすぐ赤ちゃんが生まれてくる、楽しみね」「ここに赤 ちゃんがいるよ、あなたの弟か妹よ」と日常的に話し、誕生を一緒に心待ちにしていました。そして、生まれたら一緒に育児。おむつを替える時も、着替えさせ る時も、長男と一緒に行いました。すると、自然と「弟は可愛い。かけがえのない存在」という気持ちが長男の中に芽生えていったようです。一方、次男にも 「優しくしてくれるお兄ちゃんが大好き!」という思いが生まれ、好循環となっていったのです。三男の出産時も同様のことを長男・次男に行いましたので、3 人共お互いを大好きになってくれました。

では、生まれた時からそのような働きかけをしなければ、きょうだいげ んかはなくならないのでしょうか? そうではないと思います。冒頭の相談者のように、もうすでに年齢を重ねているきょうだいの場合は、それぞれの子に、相 手の良い所を伝えてはいかがでしょう。例えば、姉に「○○(妹)は、あなたのことを大好きなのよ。この前もあなたが小学校に行った後『お姉ちゃんはいつも 一緒に遊んでくれるから好き。いないと寂しい』って言っていたよ」と。妹には「●●(姉)は○○のことが可愛くて仕方ないのよ。特に、ホッペが好きで、つ いチューしちゃうって」といった具合に、子どものちょっとした仕草やつぶやきから、きょうだいへの愛情をくみ取って、親が代わりに伝えてあげるのです。万 が一、そのような様子が見つからない場合は、「お姉ちゃんのどんな所が好き?」と直接聞くなど、お互いの良い所に気づくよう、親がうまく誘導してもよいで しょう。

さらに、きょうだい同士が愛情表現できる機会を積極的に作ってみては どうでしょう。例えば、長女が小学校に入学する時に、「こっそり、お祝いパーティーを準備して、驚かせちゃおう!」と次女に相談し、ケーキや飾りを準備す る。次女が運動会で大活躍したら「お疲れ様会を企画しよう!」と、長女と一緒に考える……等々、きょうだい同士が自分の愛情を伝え合う方法を提案するので す。

このようにして、相手が自分に好意を持っていることがわかれば、自然と互いへの愛情が湧いてくるでしょう。互いに愛情が湧けば、結果としてけんかはなくなっていくと思います。

けんかしたら、双方の言い分をとことん聞く

では、けんかをしてしまった場合は、どのように対応すればよいでしょうか。親は、双方の話をと ことん聞きましょう。そして、お互いが納得するまで話し合わせて、必要があれば謝らせます。心の中に少しでもわだかまりがあるうちは、形式的に「“ごめん なさい”と言いなさい」と、親が無理矢理けんかを止めさせても、「どうせ自分のことなんて理解してくれない」と、子どもは疑心暗鬼になるでしょう。そし て、親もきょうだいも信じられないから、またけんかをする、という悪循環に陥ることになるでしょう。

きょうだいげんかは、相手との間の取り方など、コミュニケーションを 学ぶ良い機会になる、と考える方もいますが、私は、相手のことを嫌いになるだけで、メリットは一切ないと考えます。ですから、なるべく幼い頃から、きょう だいへの愛情表現の方法を獲得できるよう、親は子どもの手助けをするのがよいと思います。

我が家の息子達は皆成長し、性格も考え方も色々。時には、「ママから メールが来た時に、どうしてすぐに返信しないんだ。ママが心配するだろう」と、長男が次男に怒っても、お互いを嫌いになるわけではありません。なぜなら、 幼い頃から互いに愛情を表現した思い出がいっぱいあるので、相手を嫌いになれないのです。このように、幼い頃に育まれた愛情は、将来にわたって壊れること がないと思います。

アグネス・チャン

1955年イギリス領香港生まれ。72年来日、「ひなげしの花」で歌手デビュー。上智大学国際学部を経て、78年カナダ・トロント大学(社会児童心理学科)を卒業。92年米国・スタンフォード大学教育学部博士課程修了、教育学博士号(Ph.D.)取得。目白大学客員教授を務め、子育て、教育に関する講演も多数。「教育の基本は家庭にある」という信念のもと、教育改革、親子の意識改革について積極的に言及している。エッセイスト、98年より日本ユニセフ協会大使、2016年よりユニセフ・アジア親善大使としても活躍。『みんな地球に生きるひと』(岩波ジュニア新書)、『アグネスのはじめての子育て』(佼成出版社)など著書多数。2009年4月1日、すべての人に開かれたインターネット動画番組「アグネス大学」開校。2015.6.3シングル『プロポーズ』release!!(Youtubeで公開中)

AGNES CHAN OFFICIAL SITE ~アグネス・チャン オフィシャルサイト

構成:菅原然子/イラスト:あべゆきえ

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