ミ・ソムリエ 【食文化】[小6・家庭科]
第二十回目のテーマは「ミ・ソムリエ」。家庭の味噌や全国の味噌を食べ比べて、それぞれの食文化に触れてみましょう。
藤本勇二(ふじもと ゆうじ)
武庫川女子大学教育学部 教授。小学校教諭として地域の人に学ぶ食育を実践。文部科学省「食に関する指導の手引き」作成委員、「今後の学校における食育の在り方に関する有識者会議」委員。「食と農の応援団」団員。環境カウンセラー(環境省)。2010年4月より武庫川女子大学文学部教育学科専任講師。主な著書は『学びを深める 食育ハンドブック』(学研)、『ワークショップでつくる-食の授業アイデア集-』(全国学校給食協会)など。問題解決とワークショップをもとにした食育の実践研究に取り組む「食育実践研究会」代表。'12年4月より本コーナーにて実践事例を研究会のメンバーが順次提案する。
家庭から持ち寄った味噌を食べ比べます。それぞれの家庭の味噌が違うことに気がついた子どもたちは全国各地の味噌へと関心を向けます。大豆と麹と塩の3種類の原料を基本に作る味噌の豊かな世界に気づいていきます。味噌のテイスティングでソムリエを目指した「ミ・ソムリエ」、家庭科で2時間を使って取り上げました。 家庭の味噌の味比べ――自分の家と味が違うよ! 自宅からそれぞれの家庭の味噌と味噌が入っていた袋の表示を持ってきてもらいます。 みんなの家の味噌を食べ比べ。「味が全然違う!」 「おいしい!」 味噌を食べ比べた子どもたちの感想です。 子どもたちは味噌がそれぞれの家庭で違うことに気づいていませんでした。この活動を通じていろいろな味噌があることに目を向けたようです。 全国の味噌の味比べ――原料は大豆・麹・塩だけ!?八丁味噌、信州味噌など全国の味噌を比べてみる あらかじめ注文していた味噌(八丁味噌・信州こうじ味噌・仙台こし味噌・長崎麦味噌・越後味噌)が前日に届きました。2時間目は、だしを取ってそこに味噌を溶かして即席味噌汁のようにして食べ比べてみました。子どもたちの人気は仙台の米味噌、長崎の麦味噌でした。 それぞれの味噌を食べてみた子どもたちの感想です。 【八丁味噌】 【信州こうじ味噌】 【仙台こし味噌】 各班でだしを取って、具なしの即席味噌汁を作る 【長崎麦味噌】 【越後味噌】 各班でだしを取ってそこに味噌を溶かしこむという方法でしたので、班によって少しずつ濃さが違っていることもあります。味の好みの違いもあるので一概には言えませんが、日本全国にこれだけ多様な味噌があることに、子どもたちが驚いたことは事実です。 全国の味噌の食べ比べを通して子どもたちは味噌の奥深さを実感したようです。大豆と塩と麹だけで、これほど多様な味噌を作る食の知恵にも関心を持ったようでした。
文:藤本勇二 イラスト:あべゆきえ、みうらし~まる〈黒板〉 |
授業の展開案
味噌は全国各地でいろいろな種類のものが作られていて、それぞれに特性があります。日本各地の味噌を調べてみましょう。
味噌は健康バランス食品と呼ばれています。味噌汁や鯖の味噌煮など、味噌を使った料理を調べてみましょう。
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