2004.02.17
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太陽は燃えているの?

燃える(燃焼)とは物質が酸化することです。たとえば、ガソリンや灯油などの燃料(燃焼エネルギー)が、空気中の酸素によって燃えて、熱や光を発生することをさします。普通、鉄などが酸化することは「さびる」といいますが・・・

燃える(燃焼)とは物質が酸化することです。たとえば、ガソリンや灯油などの燃料(燃焼エネルギー)が、空気中の酸素によって燃えて、熱や光を発生することをさします。普通、鉄などが酸化することは「さびる」といいますが、酸素の濃度を高めていく(空気中にはあるのは酸素のみではない)と反応速度があがり、容易に燃焼します。酸素は物質を酸化する働きをする酸化剤の一つです。

 地球上には酸素があるので、たいていの物質は燃えます。でも宇宙では事情が違います。宇宙に行くロケットには、燃料のほかに燃料を燃焼させる酸化剤(酸素など)が積み込まれています。これは空気中の酸素を使用して飛行するジェット機などと基本的に違う点です。ロケットの燃料と酸化剤のことを推進剤といいますが、ロケット燃料にはマイナス253℃で水素を液化した液体水素が使用されます。アメリカのスペースシャトル、日本のH型ロケットなどには、この液体水素が燃料として使われています。宇宙空間でも燃料と酸化剤があれば燃焼は起こるのです。

 人間の体の中でも酸素を使う燃焼が起きています。それは「酸素+脂肪酸+グリコーゲン」=筋肉エネルギーという化学反応(有酸素運動=エアロビクス)です。この有酸素運動とは、筋肉を動かし次々と体脂肪を燃やすことで、サイクリングやウォーキングなど酸素を取り入れながらできる運動のことをさします。運動を始めると20分ぐらいでこの脂肪が燃え始めます。筋肉を動かすエネルギーは、この燃焼を伴う有酸素運動と燃焼を伴わない無酸素運動によってえられています。

1.有酸素運動:ウォーキングやジョギング

継続的で比較的弱い力が筋肉にかかり続ける時は、エネルギー源として、体中にためてある体脂肪(脂肪酸)とグリーコーゲンを燃焼させて使います。こちらの反応を起こす場合、燃焼材料として酸素が必要となるため、有酸素運動と呼ばれています。

2.無酸素運動:短距離走や筋肉トレーニング

瞬間的に強い力が必要な時は、糖質を筋肉にためておいたグリコーゲンが主原料として使われます。この反応は酸素を必要としないため、無酸素運動と呼ばれています。

 ここまでで、地球上の物質が「燃える」、つまり酸化には主に「酸素」がかかわること、そして物質や体内の化学反応では、「燃える」ということは「エネルギーを作り出す」過程であることもわかりました。さて、「太陽は・・・」どうなのでしょう。

 太陽は「巨大な火の玉」といわれることがありますが、実は、太陽のエネルギーは、酸化による燃焼とはまったくことなる「核融合」によってつくられています。太陽の中心部では、水素原子同士がぶつかり合い融合してヘリウム原子に変わる核融合反応がくり返されています。この核融合が膨大な光と熱を生み出しているのです。太陽の表面上に見られる巨大な炎状のプロミネンスは、太陽のまわりを覆っている高温の水素ガスが吹き上げているものです。燃焼による炎ではないのです。
プロミネンスは日本語では「紅炎」と呼びますが、最初に望遠鏡で観察した人は大きな炎だと思ったのでしょうね。

 また、核融合とは反対に、原子核が分裂することによって膨大な光と熱を発生させる「核分裂」も酸化による燃焼ではないのです。

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