2005.07.26
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

服に体をあわせるか体に服をあわせるか

監視カメラがあれば、防犯ブザーさえ持たせれば、安全なのだろうか? ハードだけガッチリ揃えても、完全とはいえません。今回は、防犯機器やグッズの導入方法についてお話します。

防犯ブザー、監視カメラ、催涙スプレー、刺すまた、侵入感知センサーなどなど最近、多くの学校で危機管理用品として導入されています。学校にこの手のものを導入せねばならない時代が嘆かわしいと感じますが、これだけ学校で犯罪がおきると仕方ないのかなという気もするのです。

 さて、今回はそれらのハードの導入方法についてお話をしたいと思います。池田小学校事件や寝屋川小学校事件を経て多くの学校にさまざまな危機管理機材、器具が導入されました。いくつかの地域では警備員の配置までなされているようです。これらが導入され子どもたちが安全な学校生活が送れるようになってくれるならそれは大変よろこばしいとこですが、私が学校にお伺いするとそうなっていないところも多く見かけられるのです。

 前にお話したかもしれませんが私が学校の危機管理に関わるようになったのが、とある小学校の校長先生から「監視カメラを入れているんだけどうまく使えていないんだ。どうしたらいいかな」というご相談から始まりました。この学校では監視カメラは入れていたのですが、モニター(テレビの画面)を見ている人がいなくて、学校への訪問者に気づくのがその人が職員室にきて始めてしるなんてことが多かったそうです。これでは不法侵入者を防ぐことはできません。なんでこんなことになってしまったのでしょうか。

 それは体(学校側の体制)にあっていない服(危機管理の機材や用品)を着てしまったからではないでしょうか。監視カメラとはカメラに映し出されたものをつねにチェックする人がいて、初めて監視カメラなのです。カメラに映像を写し記録するだけならそれは記録カメラであり、監視カメラではないのです。

 学校側に監視カメラを見ている要員がいない、もしくは侵入前に見れる体制ではないのに監視カメラをいれてもそれは宝の持ち腐れですし、前回の話題でもでましたがカメラを入れたから安心なんてことになればそれは危機管理体制が後退したことにもなりかねません。

 子どもに服を買うのに多少大きな服を買うことがあっても、ぶかぶかな服や、形がぜんぜんあわないものは買わないとおもいます。危機管理も一緒で自分たちが扱えるもの、自分たちの業務の中にいれられる機材や器具を揃えねば、そこにあるものはただのごみになてしますのです。

 教育委員会のかたがた、本当に現場の先生が使えるものをいれていますか。本当に学校の現場で使用できる機材をいれていますか。ぜひ見直してみてください。ちなみに催涙スプレーをいれている教育委員会のかた、あれは武器なのです。犯人に奪われたり、子どもが悪戯したりしたときのことを考慮してください。学校の先生が扱い、また管理するにはあまりにも問題があるものだと思います。

(イラスト:じえじ)

※当記事のすべてのコンテンツ(文・画像等)の無断使用を禁じます。

pagetop