2003.09.21
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緊急連絡網作成のワンポイントアドバイス

皆さん、防災の日はどう過ごされましたか?自宅の防災の準備はいかがですか?私の実家では手回し式のラジオが配備されました。これで実家には6台目の防災ラジオが・・・。なんでも面白いものを買うのが大好きな父親によって、実家は2ヶ月ぐらいは立て籠もれるようになっています。

さて、今回はその防災に関係するお話です。皆さんの学校には必ず緊急連絡網があることでしょう。私が通った小学校、中学校、高校すべてにありました。さて、この緊急連絡網、皆様の学校の緊急連絡網はその名の通り緊急時に使えるようになっていますか?

 緊急連絡網を作るうえで重要な点は二つあります。ひとつは速報性、そしてもうひとつは確実性です。速報性は全員にどれだけ早く伝えられるのか、そして確実性は全員に確実に情報が伝えられるのかを意味します。この二つが揃って理想的な緊急連絡網と言えるのですが、両立させるのは大変難しいのです。

 基本的に情報は早く連絡をしようとすれば変形する可能性が高いですし、確実に伝えると時間がかかります。また、基本的に学校の緊急連絡網と言うと保護者間で使われるものですが、現在は共働きの家などが増えた環境の中で自宅には保護者がいないと言うことも可能性としては高くその場合はどこに伝えるのか、そこを飛ばしたらいつ、誰がそこに連絡するのかなどの問題があることでしょう。では、どのように解決すればいいのでしょうか。

現在、私がクライアントの企業へアドバイスして作成した緊急連絡網では2つないしは4つの方向から緊急連絡をする仕組みにしているものもあります。これは今までであれば名簿の上から順に一方的に情報を伝えていたものを上下双方向から緊急連絡をするようにしたのです。こうすることによって今までの2倍の速さで連絡が回ることになります。

 また、緊急連絡で問題になるのは情報が変形することですがそれを防ぐために緊急連絡で伝える可能性のある文言をテンプレート化しておき、それに添った形で情報を連絡するようにするのもひとつの手でしょう。たとえば、緊急連絡網を使う状況で考えられるのは学校付近で事件が発生した場合ですが、

学校付近において通り魔事件が発生しました。子どもたちは学校にて保護しております。保護者の方々は学校まで生徒を引き取りに来てください。担当は○○先生です。

というように事前に決めておきそれに基づいて緊急連絡をするのです。あらかじめこの文言は各保護者に渡しておくことは言うまでもありません。これで情報の変形は少なくなりますので、変な情報が回る危険性もすくなくなります。

このほかにも現在では携帯電話を持っている保護者の方も多いでしょう。携帯についているメール機能を利用して緊急連絡をするのもひとつの手でしょう。メールであれば文章が残りますし、連絡忘れというのも減らせることでしょう。

 最後に緊急連絡網を作ったら必ず、実際に使えるのか実験してみてください。作って使えてなければなんの役にも立ちません。ぜひ、使えるのかを実験するとよいでしょう。

 ここまで簡単に緊急連絡網作成のワンポイントアドバイスをお話しましたがこのほかにも多くの改善策があります。ぜひ、皆さんの学校でも独自の改善を考えて緊急連絡網を作ってみてください。

(イラスト:たかまひびき)

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