学校や教育を支援するということ とうきょうED冬の研究会

1月16日、東京国際フォーラムにて、「学校や教育を支援するということ」と題して、とうきょうED主催の研究会が行われた。冷たい雨の降る中、34名の参加者が集まった。
|
とうきょうEDは、メーリングリストを活動の中心とする研究グループ。学校の情報化が全国平均から大きく立ち遅れている現状を打破しようと集まった東京の学校の先生方と、彼らを支援する社会人たちが参加している。企業や行政と連携して、学校におけるe-ラーニングの実証実験や、情報倫理を教える教材の開発などの活動を行ってきた。 ■ 企業の支援によって授業がより深いものになる 笹塚小学校では、6年生の児童を対象に、「携帯電話をどう使えばいいのか」を自分たちで考えさせるという授業を行った。 「実際に持たせてみると、携帯電話はあっという間に子どもたちの生活の中に溶け込んでいきました。しかし、中には使うこと自体が目的になってしまうなど、望ましい使い方とは思えないケースもいくつか見られました。普段、ちゃんとした行動ができる本校の子どもたちでも、知識としては理解できているのに、実際の行動には不安な部分が見られました。携帯電話というツールの影響力には驚かされます。」 と松橋先生。しかし、その支援企業探しも、とうきょうEDのネットワークがなければ、大変時間も手間もか
|
|
■ 学校や自治体だけではできないことをNPOが支援 次の事例は、千葉県柏市立土南部小学校の西田光昭先生から発表された。 柏市は学校の情報化の進んでいる自治体として知られている。その背後には、KIUというNPOの支援がある。KIUは、千葉県柏市を中心とした地域の小・中・高校、近隣センター、図書館等の公共性の高い組織のLANを相互接続し、インターネットアクセスを可能にする非営利の地域貢献型インターネットサービスである。運営は、麗澤大学、麗澤高校が行っているが、実際の作業は生徒が行う。LANの接続や設定などの作業は、情報教育の実習ともなるのだという。NPOの運営費の中でも最も負担となる人件費をこうして抑えているのである。
|
|
■ とうきょうED、NPO法人化!?
先生方の発表の後、NPO法人を運営する石戸奈々子さん(NPO法人CANVAS)、脇本靖子さん(NPO法人キーパーソン21)より、学校・教育支援の事例、NPO法人を経営するメリット等についてお話をいただいた。今回後半の話題が「NPO法人の経営」にまで及んだのには理由がある。今までメーリングリストのネットワークのみで実体のなかった「とうきょうED」はNPO法人化という次なるステップを踏み出そうとしているのである。会の中心メンバーである三橋秋彦先生(墨田区立竪川中学校教諭)に、その概要を聞いてみよう。 「とうきょうEDは、活動をはじめて今年5年目を迎えます。会員数は400名をこえ、前述のように、とうきょうEDを介してさまざまなプロジェクトを実現してきました。しかし、とうきょうEDはあくまでも任意団体なので、契約ができない、企業などからの資金援助を受けられない、など活動に制約がありました。そこで今年は特定非営利活動法人(NPO)の申請を行い、学校と企業をつなぐパイプ役としての活動をより広めたいと思っているのです。」 総合学習やキャリア教育など、学校が企業と連携するケースは増えているが、まだまだ「NPOとならいいが、直接企業と連携するのは抵抗がある」という学校は多い。NPOがコーディネータとなって学校と企業をつないだり、地域の人材を学校教育の場で有効に活用するなどの事例は今後も広がっていくのではないだろうか。とうきょうEDのこれからにぜひ期待したい。 |
|
※当記事の情報は、公開当時のものです。
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)
この記事に関連するおススメ記事

「教育リポート」の最新記事
