中学生と携帯電話の正しい付き合い方/墨田区立竪川中学校
迷惑メール、架空請求、出会い系サイトやネットオークションで詐欺被害に遭うなど、携帯電話を媒介とした被害が広がっている。これらの被害は、携帯電話を購入後2カ月以内に集中しているのだという。
警視庁が平成15年に行った調査では、青少年の携帯電話の所持率は約8割。この比率が100%になる日もそう遠くはないだろう。社会経験が乏しい児童・生徒たちが、悪質な情報発信者の標的にされたらひとたまりもない。
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◆携帯電話からこんな被害に… 授業に参加してくれたのは、3年1組の生徒たち。社会科の、公民の授業の扱いである。指導にあたったのは、三橋秋彦先生。 授業の冒頭に、携帯電話を所持しているかを聞いたところ、持っていないのは2、3人。つまり、ほとんどの人が携帯電話を持っている。 まずは、まだ校正刷り段階の教材をひととおりざっと読んでもらい、「似たような経験をしたことがあるか?」「経験はないが起こりそうなのはどのケースか」を聞く、という形で授業は進行した。 「あえて、教科書的ではないものにした」(モバイル社会研究所 遊橋裕泰氏)という教材は、一見IT系の雑誌のような表紙。見開きで1テーマとなっていて、最初に、事件の全貌をマンガで示し、引き続いて、どんなワナが仕組まれていたのか、どうすれば防げるか、万一被害に遭ってしまったらどうすればいいか、などが詳しく記されている。 事例としては、無料のサイトを閲覧していたら、「ここからは有料サービスです」という表示が出てきたので閲覧をやめたが、それ以降迷惑メールが何本も来るようになった、着メロを300円で1回ダウンロードしたら、その後も毎月勝手に300円が引き落とされていた、ネットオークションで、高額に競りあがった商品を「繰上落札したので」と買わされた、彼氏が欲しくて出会い系サイトで知り合った男性に会ったが掲載サイトに書き込まれた情報はデタラメだった、など、7事例が紹介されていた。 「こんなこと、身近で聞いたことある?」 生徒たちの目立った反応はなかったが、教材の詳しい説明を一心に読む姿も多数見られ、興味がないわけではなさそう。授業後に感想を聞くと、「面白かった」との声を多くの生徒から聞くことができた。 しかし、本当に生徒たちは、教材に例示されたような、携帯電話を介した危険に遭遇したことはないのか。授業後に聞いてみると
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◆すぐにも授業で取り上げたい、しかし問題も… さて、授業後に、教材を開発した、モバイル社会研究所の方々、三橋先生、見学に来た先生方たちを交えた意見交換会が開催された。 教材の執筆にあたった株式会社クレステックの増田尚子さんは、制作の意図をこう語る。 指導にあたった三橋先生からは
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子どもたちは、中学あるいは高校入学をきっかけに「携帯電話を買って欲しい」と言い始める。冒頭にも述べたように、携帯所持率は上がる一方。ただ反対しても、「我が子がケータイを持つ日」は必ずやってくる。どうせ持たせるならば、どのような使い方をするべきか、きちんと指導したい。学校での普及が難しいのなら、モバイル社会研究所には、ぜひ保護者に配布することを検討して欲しい。携帯電話購入の際に、同時に配付し、親子で携帯電話との付き合い方を学んでもいいのではないだろうか?
(取材・構成:学びの場.com 高篠栄子) |
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