2002.07.30
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「2005年の教室を考える会」に全国から150名が参加!

「2005年の教室を考える会」に全国から150名が参加!

夢を語ることから、学校は授業は、教師はどう変わるべきか考えよう! 横浜で行われた「2005年の教室を考える会」、夏休み初日の熱い2日間を取材しました!

 文部科学省は、2005年度を目標に、全国の学校のすべての教室にコンピュータを整備し、インターネットにアクセスできる環境を実現するべく「教育の情報化」プロジェクトを推進している。2005年には、現在のパソコンからは想像もつかないような高度な情報機器が開発され、学校での授業も今とは似てもにつかないようなものになっているのかも知れない。


 


 



 

■全国から150名が集結!

 未来の子どもたちは、授業はいったいどうなっているのだろう。そのために学校は、教師たちは何をしなければならないのだろうか。

 夏休み初日の7月20日、21日、横浜セミナープラザすずかけ台で行われた、第2回「2005年の教室を考える会」合宿研究会では、全国の小学校の先生方を中心に、教材メーカー、IT企業、NPOら約150名が参加して、「来るべき未来の学校」について夢を語り合った。



 

 




 

■初日:お笑い満載の放談、事例発表、深夜の宴会と盛りだくさん

 初日は、静岡大学情報学部助教授 堀田龍也先生、金沢大学教育学部助教授、中川一史先生による放談「2005年、教室はどうなるの?」からスタート。両先生の掛け合い漫才のような言葉のやりとりに、会場は爆笑の連続。すっかりリラックスムードに。しかし、

 「インフラやデジタルコンテンツの整備は急速に進むが、それらを使ってどう授業をするのかは、先生の力量にかかっている」

いい実践というのはトップダウンではなくゲリラ的に起こる

日常的にさりげなく、じゃぶじゃぶと情報機器を使うことが大切」

「現状からの発想では、たいした未来は描けない。実現不可能でも夢を語ることが大切。そこからさかのぼって、今、何をすべきかが見えてくる」

などなど、日頃から、学校現場に精力的に出向き、先生がたと一緒になって情報化の指導を行ってきた両氏ならではの、キラリと光る言葉は印象的だった。

 その後、鳥取県三朝町立西小学校の田中靖浩先生、富山県富山市立熊野小学校の渡辺純恵先生、石川県河北郡内灘町立大根部小学校の山下雅美先生による「web学級日誌(開発:バディコミュニケーション)」を活用した交流学習の実践報告、参加企業による学校の情報化に向けたプロジェクトや、製品の紹介が行われた。

 そして、待望の夜の部。盛大な立食パーティに始まり、全国各地の珍味、銘酒を持ち寄っての交流会へ。車座になり、夜を徹しての熱い教育談義が交わされた、ということだが、記者は途中でリタイア。





■2日目:各学校のこんな取り組み

 さて、2日目は、各学校のユニークな実践授業のプレゼンテーションからスタート。
 石川県松任市立東明小学校の中條敏江先生は、交流相手校との
「種(タネ)の交換」や、「オリジナルデザートのレシピ交換」を通じて、広く交流する=「伝達を楽しむ」、絞って交流する=「相手意識を制御する」という実践を、富山県砺波市立出町小学校の白江勉先生は、掲示板を使って「おいしい水探し」をテーマに他校と交流した実践を、熊本大学教育学部附属小学校の前田康裕先生は、4人一組のプロジェクトチームを作り、デジタルビデオで「ひとこと英会話」のビデオ作品を製作するという実践を報告された。

 

■ワークショップ:2005年、夢の教室を描く!

 そして、今回のメインイベントは、9グループに分かれてのワークショップ。これは、45分間の持ち時間で、「2005年の教室」はどうなっているのか、そのために今すべきことは何かを話し合い、とりのこ用紙にまとめ、それを各グループごとに発表するというもの。

 各グループとも、現場の先生、指導主事の方々、企業の方々による混成チーム。これによってワークショップは、先生がたにとっては、企業に「こんなものを作って欲しい」「こんな協力が欲しい」というアピールの場ともなり、企業にとっては、現場のニーズをつかむことのできる場となるのである。

 あっという間に45分が経過。各グループとも、とりのこ用紙に思い思いの絵を描き、発表タイムに。「教室半分外へ飛び出そう」「地域を教室に!地域全部が教室になる!」「教師は多様な学びの選択肢をコーディネートするプロデューサーに」「子どもの多様な学びを保障する」「バリアフリー」「子どもが自分でデザインできる教室に」など、さまざまなキーワードが飛び出した。

 先生方の発表を受けて、中川先生は、
「今後、情報インフラは、ますますすごいことが簡単にできるようになって行くでしょう。その結果、子どもの目も、保護者の目も肥えてくる。そのような中で、本物をいかに体験させていくかは重要。また、総合学習と教科学習をいかにリンクさせていくかも大切にってくる。教師の力量がますます問われる時代になってくる」とコメント。
 「教師の情報デバイドの拡大は必至。これからは、情報活用の実践力=アイデア&フットワークが鍵となる。必要な情報を得るためには人と人とのネットワークも重要」とも。
 
 最後に、
「これから学校の情報化を成功させるためには、企業と先生との連携が不可欠。先生は、積極的に企業活動に参加して何が欲しいのか要望を出し、また、企業は開発のプロセスに必ず先生を入れる。そして互いによいものを作ろうという姿勢が大切」
と堀田先生が締めくくり、大きな拍手で閉会となった。
 

 

 スタッフたちが会場の後片付けを始める中、名残惜しげにいつまでも会場に残る先生方。あちこちで再会を約束する姿も見られた。この研究会が、いかに楽しく、人と人とがつながり合えるものであったかを物語る光景であろう。
 このイベントの仕掛け人のひとりであり、また最後まで裏方として大活躍だった、「2005年の教室を考える会」実行委員会の委員長、大笹いづみさんに話を聞いた。

「研究会開催の直前まで、堀田先生、中川先生とメールで深夜まで打ち合わせという日々が続きましたが、こうして、全国から先生がたが駆けつけてくださり、本当に喜んでくださる姿を目の当たりにすると疲れもふっとんでしまうんですよね。もし要望があれば、ぜひ3回目も開催したいですし、こういう活動をもっと企業の方にも知って欲しいですね」

(取材・構成:学びの場.com)

 


 

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