2024.06.07
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【速報】教育業界最大級のセミナー&展示イベントNEE2024が開幕 New Education Expo 2024 リポート vol.1

今年も教育関係者のためのビッグイベントNew Education EXPOが開幕。国内最大規模のセミナーと展示が皆様をお迎えします。当リポートではいち早く、東京会場の模様をお伝えします。

NEW EDUCATION EXPO 2024について

「学びの未来を、共に拓く」をテーマに、教育界の著名人、教育現場の先生方が一堂に会する毎年恒例のイベントです。今年も豪華講師陣によるセミナーや実際に見て触れることのできる教育ソリューションの展示などが数多く用意されています。
なお、6/14(金)から開催される大阪会場の参加申し込みは6/11(火)18:00まで可能です。詳しくは公式WEBサイトをご確認ください。

NEW EDUCATION EXPO 2024開催概要

主催:New Education Expo実行委員会
東京開催:6月6日(木)~8日(土)/東京ファッションタウンビル(お台場)
大阪開催:6月14日(金)~15日(土)/大阪マーチャンダイズマート(天満橋)
サテライト会場(札幌・名古屋・福岡):6月6日(木)~8日(土)
サテライト会場(仙台・広島):6月7日(金)~8日(土)

※同時開催「公共ICTフォーラム」:東京6月6日(木)、大阪6月14日(金)

公式WEBサイト

1日じゃ足りない?盛りだくさんのセミナーと企業展示群

  • 豪華な基調講演

  • 特別講演の講師陣

  • イベントの目玉「公開授業」

  • 会場MAPとセミナー一覧

さらに豪華に、さらにバリエーション豊かになった圧巻のセミナーメニューをぜひ公式サイトでお確かめください。きっと今とこれからの教育に資する貴重な学びがみつかるはずです。また、広大な展示会場には100を超えるブースが来場者をお待ちしています。気になる教材やサービスを実際に体験し、担当者から詳しく説明を受けられるのもNEEの魅力のひとつです。展示エリアはテーマごとの色分けされています。入場時に配布される会場マップを手に、セミナーの合間に巡ってみてください。さらに今年の目玉として大好評の公開授業が復活します。実際に先生と児童のみなさんが会場内に設置された教室で、リアルな授業を行います。東京会場では東京学芸大学附属竹早小学校のみなさん、大阪会場では大阪教育大学附属池田小学校のみなさんが来場されます。なお、一部のセミナーや展示については学びの場.comで総力取材し、当コーナーで随時、リポートしますのでお楽しみに。

展示会場へ

進化する学校設備とコミュニケーションツール

今回の展示では学習者それぞれの多様性に配慮した製品やサービスが増えているように感じます。始めに向かったのは今回が初出展のピクシーダストテクノロジーズ株式会社のブース。「VUEVO Microphones」を利用した新しい会議システムが目を引きました。こちらは独自開発のワイヤレスマイクと専用アプリケーションを用いて、「誰が」「何を」話したかをリアルタイムに視覚化するサービスです。複数人の会議等での聴覚障がい者と聴者とのスムーズなコミュニケーションの実現を目指します。また同時翻訳機能を用いた異なる言語間のミーティングも可能とのこと。会話の要約や議事録の作成も効率的に行えることで働き方改革ツールとしても活躍しそうです。他言語話者への対応を実現する窓口・受付用ディスプレイ「VUEVO Display」も同時出展しています。

同じく、多言語対応の受付窓口システムとして京セラドキュメントソリューションズジャパン株式会社が展示するのは字幕表示システム「Cotopat」。こちらは音声認識と同時に翻訳されたテキストを専用の小型プロジェクターから既存のアクリルパネルなどに投影する仕組みです。特徴的なのは予め入力した画像や動画(例えば施設内の案内図など)も自動表示できること。また漢字にルビを表示することも可能で、様々な国からの学生を受け入れる大学の事務窓口等で重宝しそうです。

多言語対応ジャンルでは、ソースネクスト株式会社の学校向け新サービス「ポケトーク for スクール」も来場者の注目を集めていました。こちらは、専用端末を必要としないブラウザ型の同時通訳サービスで、先生の授業内容を翻訳して生徒のパソコン・タブレットで表示させることが可能です。既に神戸市教育委員会では試験導入を終え本格的に利用が進んでいます。生徒からは「授業の内容が以前よりも理解できるようになった」という声も。これからは日本語を母国語としない児童生徒に対してもスムーズな授業が展開できそうです。費用も通訳者を雇用するよりもリーズナブルであるとのこと。言語の問題で支援を必要とする児童生徒にとっても大きな助けとなりそうです。なお、ポケトーク for スクールの試用も可能とのことです。
ポケトーク for スクール(ポケトークライブ通訳)のお試し(2024/7月末まで有効)

いまや電子黒板はどの学校にも導入され、授業や発表のツールとして先生も児童・生徒・学生も自然に使いこなしていますね。株式会社一ノ坪製作所のタッチ対応大型ディスプレイスタンド【電動Lift&Tilt】は55~86インチの大型ディスプレイに対応し、TILT機構により画面側を真上に向けてテーブル状に倒すことができます。これにより複数の先生や生徒が画面を囲んで各々に書き込みながら学習を進めることも可能。電子黒板の新たな使い方が開けるかもしれませんね。

ネットワークセキュリティ関連サービス

教育DX時代において教育機関におけるすべての活動や業務には必ずデータが発生し蓄積されます。その量も秘匿性も一般の企業と同様、またはそれ以上に堅牢に守られる必要があります。ゼロトラストに準拠する2つのネットワークサービスを見てみましょう。

ゼットスケーラー株式会社の提供するネットワークセキュリティサービス「Zscaler Internet Access(ZIA)」はゼロトラスト思想に基づきセキュリティ防御の仕組みを取り入れたクラウド型ネットワークセキュリティサービス。学校からのローカルブレイクアウトを実現し、安全にインターネットに接続することができます。同時にSSL通信も完全に複合化が可能なので、既存のフィルタリング製品の置き換えだけでなく、これまで以上に教育現場におけるネットワークセキュリティの強度を高めることができ、校務支援システムのみならず、さまざまなクラウドサービスに安全接続することが可能になります。

エクスジェン・ネットワークス株式会社が紹介するのはNEXT GIGAを支える国産IDaaS「Extic」です。次世代の校務DXを実現するにはゼロトラストの考えに基づいたアクセス制御・セキュリティ対策が必須です。同社はゼロトラストの要となる「認証と認可」を確実にすることで、
・これまで分離されていた校務系・学習系のネットワークの統合
・校務支援システムのクラウド化
・校務系データと学習系データの連携基盤創出
の実現を支援します。

語学教育と学習管理システム

冊子のテキストとAIを融合させた新しい語学教材をひとつ紹介しましょう。
オックスフォード大学出版局株式会社の「LET'S GO with LAURA」は世界的人気を誇る児童英語のベストセラー教材です。今回このテキストに準拠するかたちでネットを通じたAIとの対話機能が追加されます。学習者はテキストに登場するキャラクターになってAIとの対話を楽しむことができます。音声認識で会話練習の幅が広がり、瞬時に発音チェックも可能。要改善ポイントは色分けで表示されます。製品版は近日正式リリースとのことです。

既に多くの大学等で活用されている学習管理システム(LMS)にも次世代に向けた新たな潮流が生まれつつあります。その中から今後の更なる普及が期待される2つのサービスに注目しました。
Instructureが提供する「Canvas」は、教育機関がオンラインで学習コンテンツを配信し、学生の進捗と成績を管理できるプラットフォームです。使いやすさと柔軟性で知られ、全世界ユーザ数は5000万人を超えるとのこと。日本でも10万人規模の大学等で導入が進められているそうです。このプラットフォームでは、教育の質を向上させるために、教師と学生が互いに効果的にコミュニケーションを取り、リソースを共有し、課題を管理することができます。また、モバイルアクセスのサポート、直感的なインターフェイス、豊富なインタラクティブツールを備えており、学習体験を個別化し、教育機関が目標を達成するのを支援します。そのほか、オンライン試験、成績管理、コース設計ツールなど、教師のニーズに応える多様な機能が用意されています。

LMSをもうひとつ、learningBOX株式会社の「learningBOX」はeラーニングに必要な教材の作成配布・成績管理・受講者管理機能がすべて揃った学習管理システムです。専門知識がなくても簡単にWeb学習環境が構築できるとのこと。クイズ/テストの形式は10種類以上あり、オプションも豊富で試験・検定にも対応可能です。AIを用いた小論文の予備採点や受験者のなりすまし/カンニングを防止する本人確認機能なども備えています。なお、100名で年間33,000円~という料金体系は業界最安値級とのことです。

児童生徒の見守りや先生の働き方改革

展示コーナー紹介の最後は、先生と児童生徒にフォーカスしたサービスです。
株式会社文溪堂の「ここタン」は、こどもたちが日々の心や体の様子を親しみやすいインターフェースを通じて入力することで『心の健康観察』が実施できるシステムです。こどもたちの小さなSOSの早期発見に繋げるとともに、学校全体での情報共有もできるので、教員一人の判断ではなく「チーム学校」としてこどもたちのケアに取り組む環境を構築できます。また、同時展示している「児童生徒アセスメントシステム」は、児童生徒・学校の課題解決に役立つこれまでにないアセスメントシステムで「言葉の分類ゲーム」「アンケート」より得られた情報から、「実態+要因」にまで踏み込んだ分析が可能です。これらのツールを使うことで、先生方がより優しく丁寧にこどもに寄り添えるようになると良いですね。

株式会社レコモットは、教職員の働き方改革とデジタルコミュニケーションの基盤となり、セキュアなリモートアクセスを実現する「moconaviシリーズ」を提案しています。
「moconavi」は、端末にデータを残さないセキュアなリモートアクセスサービスです。利用する端末は支給・私物を問わずにセキュリティを担保して使えます。
「moconavi 050」は、個人のスマートフォンに050番号を付与し、ビジネス専用番号での利用が可能です。その他、moconaviの機能を限定した「moconavi Contacts」「moconavi Browser」といったライトプランやLGWAN環境へのアクセスが可能な仕様も用意。教職員の働き方のニーズに合わせ必要なサービスを組み合わせて利用できる忙しい先生にピッタリのサービスです。

記者の目

例年以上に新技術、新分野の製品やサービスが目立った展示会場でした。当記事が公開される2024年6月7日(金)はNEE東京の第2日目。3日目6/8(土)の参加申し込みは既に締め切られていますが、教育関係者の方は当日現地受付も可能とのことです。6/14・15開催のNEE大阪は6/11(火)18:00まで公式WEBサイトで申し込み可能です。参加無料ですのでぜひ足をお運びください。

NEE公式WEBサイト
https://edu-expo.org/index.php

取材・文・写真:学びの場.com編集部

※当記事のすべてのコンテンツ(文・画像等)の無断使用を禁じます。

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