2018.06.27
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「主体的・対話的で深い学び」を実現するための教師の手立てとICT活用(vol.1)  ―東北大学大学院情報科学研究科×内田洋行教育総合研究所 共同研究―

東北大学大学院情報科学研究科(担当:堀田龍也教授)との共同研究「新学習指導要領で育成を目指す資質・能力の具体化と指導方法等に関する研究」の成果を3回にわたって紹介します。第1回では、共同研究の成果として作成したリーフレットを紹介します。

研究の背景

本共同研究のスタート、それは、「アクティブ・ラーニング」というキーワードでした。平成26年(2014年)に中央教育審議会によって「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」諮問が発表され、そこで用いられたアクティブ・ラーニングという単語によって、日本の教育は、一気に、アクティブ・ラーニングモードに向かったように思います。アクティブ・ラーニングと言われても先生は何をすればよいのか、どんな方法があるのか、何のために行うのか、先生方に負担はないのか、当社が教育現場に貢献できることはないのか、そのような問題意識を持ち、内田洋行教育総合研究所は2014年から研究を進めていました。詳しくは下部のリンク先をご覧ください。

その後、「アクティブ・ラーニング」というキーワードは、論点整理、審議まとめ、中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(以下、中教審答申)を経て、新学習指導要領においては、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を通して、児童生徒に生きる力を育むことが目指されることとなりました。

今回、東北大学大学院情報科学研究科の堀田龍也教授との共同研究「新学習指導要領で育成を目指す資質・能力の具体化と指導方法等に関する研究」では、先生方がどのように授業設計をすれば、「主体的・対話的で深い学び」を実現することができるのか、そのためにどのような学習環境、特にICTを用意すれば有効なのか、という研究テーマに取り組んできました。

共同研究で開発したリーフレット

「私にもできる!ICTで授業改善のコツ」と題した、本リーフレット。多くの先生方に手に取ってもらいたいという想いで作成しました。是非ダウンロードしてご活用ください。

中を開くと「主体的・対話的で深い学び」ってどうすればよいの?」という大きな問いに対して、堀田先生が共同研究の成果を基に回答するというスタイルをとっています。回答は、リーフレットを読んでいただければと思いますが、次の4つのパートから成っています。

(1) 問題解決的な学習過程を取り入れること
(2) 授業改善の視点を持つこと
(3) 今までの教師の手立てを生かすこと
(4) 効果的にICTを活用すること

観音開きを開くと、絵巻物のように4ページにわたって、「問題解決的な学習過程」が広がります。「問題解決的な学習過程」の4つの段階(課題把握→課題追究→課題解決→振り返り)には、比較的実施しやすいと考えられる「授業改善の視点」を配置しています。さらに、「授業改善の視点」の中には、いくつかの「教師の手立て」を配置しています。「いくつかの」と書いたのは、皆さんおわかりのように、教師の手立ては、数多く存在し、全てを網羅することができないからです。

ポイントは、「教師の手立て」から、点線で結ばれたICT活用です。リーフレットに紹介している「教師の手立て」や「ICT活用」は、皆さんにとっては、ごく当たり前のものかもしれません。しかし、従来から行ってきた「教師の手立て」がICTを活用することによって、簡単になったり効率よくできたりすることを示しています。

「主体的・対話的で深い学びって、具体的にどうすればよいの?」

「主体的・対話的で深い学び」は、手段であり、児童生徒の資質・能力を育成することが目的です。それを前提として、問題解決的な学習過程の中で、授業改善の視点を持ち、先生方がこれまで行ってきた「教師の手立て」と「ICT活用」を取り入れていくこと。このことが共同研究のリーフレットに表されています。

職員室や印刷室の壁に貼って、先生方の目に留めていただくほか、教室に貼って、子どもたちが学習過程やICT活用を意識できるようにするのも一つのアイデアです。リーフレットの活用アイデアがありましたら、是非、学びの場.comあてにお知らせください。

次回は、共同研究の成果の詳細を紹介します。

リーフレットのダウンロード

内田洋行東北大学共同研究リーフレット(A3).pdf

構成・文:内田洋行教育総合研究所 研究員 中尾教子

※当記事のすべてのコンテンツ(文・画像等)の無断使用を禁じます。

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