カツオの秘密を探ろう! 東京都水産試験場・葛西臨海水族園
水産試験場と水族園が協同で企画した総合学習のためのワークショップ「カツオの秘密を探ろう!」が開催されました。集まったのは、東京都内の小中学校の先生方52名。参加者たちは久々の猛暑の中、さまざまな角度からカツオを探る一日を過ごしました。
■ 魚類のコスモポリタン、カツオに迫る 次に、3つのグループに分かれてのグループ学習。
「カツオの食利用」では、カツオの代表的な加工品、鰹節にスポットをあて、その製造工程を学び、鰹節削りを体験しました。自分で削った鰹節はお土産になるため、「今夜の夕食に使うわ」と、パック詰めされた鰹節ばかり目にしている先生方は大奮闘。室内は鰹節の芳香に満ちていました。
最後の「カツオを解剖してみよう」では、赤身の魚カツオと白身の魚マダイの筋肉を比較し、その働きの違いを考えました。また、えらや内臓を切り取って観察するなどカツオの体のつくりにも着目し、水族園での観察の予習を行いました。
|
||||||||||
移動はなんと水上バス |
■ 水上バスで昼食、目指すは葛西臨海水族園 試験場でのグループ学習が終わると、水上バスを乗り継いで葛西臨海水族園へ。この移動時間を利用して各自用意した昼食を食べます。同席した先生同士、おにぎりを片手に話したり、甲板へ出て景色や周囲を飛ぶ野鳥を眺めたりと、すっかり遠足気分を味わいました。 |
|||||||||
■ 生きたカツオから学ぶもの
次は、水族園のバックヤードツアーです。普段、見ることのできない水族園の裏側に迫ります。水族園の裏側は、予備の水槽や餌を作るための調理室、大きなろ過設備など表側以上に興味のあるところ。アクアシアターを上から観察してみたり、巨大なろ過装置の仕組みは家庭用の水槽と同じだったり、透明度の高い水にするためにオゾンを利用していたり・・・、目にするものひとつひとつに驚きの連続でした。
|
||||||||||
52名の先生方が集合! 暑い中、お疲れさまでした |
■ 水族園はすそ野を広げる場、水産試験場は深める場 水産試験場資源管理部主任の岡村陽一さんは、今回のワークショップ開催までの経緯をこう話してくださいました。 「"総合的な学習の時間"が創設され、かねてから都の試験研究機関は産業振興ばかりでなく都民に目を向けるべきだという指摘もいただいておりましたので、昨年、都の水産課で"水産業普及指導の概要"を定めました。また、平成16年度から5年間の「東京都水産業振興プラン」では、アクションプログラム15「海の学校」として次の2点をうたっています。 1.豊かな子供の心をはぐくむ体験学習を推進します 2.海で漁業を体験できる機会を増やします 水産試験場の奥多摩・大島・八丈の各分場では従来から近隣の小学校とアサリの放流やヤマメの稚魚の育成・放流、潮間帯の生物教室などを実施していましたが、総合的な学習とは少し内容が異なっていました。そこで、都の教育庁教育政策担当副参事や都の社会科研究会の先生からお話を伺って勉強してみると、都の農業試験場と林業試験場はすでに学童農園設置推進事業などの先進的な取り組みを行っていて、相当出遅れていることにも気付きました。そこで、教育機関としての歴史が長く、豊富なノウハウを持っている葛西臨海水族園から教えていただくこととなり、今回の協同開催までこぎつけました」 また、それぞれの施設の役割と協同で実施するメリットについて同水族園園長の坂本和弘さんにお話を伺いました。 このワークショップの前日には小学校4年生以上の子どもと保護者を対象にした「夏休みお魚教室」も開催されました。こちらもほぼ同じような内容のプログラムでしたが、両日を振り返って坂本さんは、 最後に、岡村さんから先生方へこんなメッセージが、 (取材・構成:学びの場.com) |
|||||||||
■ 関連リンク
|
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)