教育現場にメンタルトレーニングを
スポーツ系のメンタルトレーニングの資格を取得しました。その際、これこそ今の教育現場に必要だと感じました。教員・児童生徒全ての人々がメンタルトレーニングを受けることで、学校を楽しく有意義のものにできそうです。
旭川市立大学短期大学部 准教授 赤堀 達也
はじめに
いつも読んでいただきありがとうございます。私事ではありますが、つい先日、スポーツ系のメンタルトレーナーの資格を取得しました。
その資格を取得するにあたって感じたことをお伝えしたいと思います。
スポーツ系メンタルトレーナー資格
スポーツ系のメンタルトレーナー勉強を終え、6月上旬に資格を取得することができました。取得しようと思った理由は、今年1月下旬から女子バスケットボール部のヘッドコーチに就いており、そのチームを勝たせたいためです。その学びのおかげもあり、昨年度30-110で負けていたチーム相手に後半一桁差に迫る試合を展開したり、2月に負けた相手に後半10点ビハインドからひっくり返して逆転勝利したりするなど、とても効果を感じています。
「さぞかし厳しい練習を…」と思われるかもしれませんが、声を荒げることは一度もありません。メンタルトレーニングというと勘違いしがちなのですが、「心を鍛える」ということではありません。むしろ「心を整える」方向性となります。
そのため私が日々の練習で考えていることは、選手を楽しませるためにどうしようかということです。楽しませるとは「ふざけて楽しい」ということではなく、「知らなかったことを知れて楽しい」「こんな考え方に触れて楽しい」といった意味であり、一段階高いレベルの楽しさを追及して日々の練習を考えるようにしています。選手は心が和やかで穏やかにそして楽しく練習できているようです。
教育現場こそメンタルトレーニングが必要
教育現場ではカウンセラーの配置が進められています。それは児童生徒のためでありますが、教員のカウンセラーだと感じます。教員の心が穏やかでなければ、児童生徒の心も穏やかでいられるはずがありません。一学期も持たずに辞めてしまう教員もいると記事になりましたが、新人研修や定期的に行われる研修ではメンタルトレーニングも取り入れるといいと感じています(業務過多を紛らわせるためのメンタルトレーニングではありませんので、業務改善も同時に進めていくべきです)。
現在いじめ問題がどんどん大きくなってきているため、道徳教育という形で進んでいますが、児童生徒もメンタルトレーニングを受けるといいとも感じています。そうすることで児童生徒の友人関係に良い効果が期待できそうです。
最後に
「トップアスリートになるわけじゃないのにメンタルトレーニングなんて大袈裟だ」とも思いがちですが、上手にできない時期の初心者・中級者だからこそ必要です。
教員や児童生徒の間では、日々様々なところで主導権争いや、せめぎ合いがあり、心が疲弊しています。学校は塾ではありません。楽しく学べる場であるためにメンタルトレーニングを利用したらいいと思います。
赤堀 達也(あかほり たつや)
旭川市立大学短期大学部 准教授・北海道教育大学旭川校女子バスケットボールヘッドコーチ
これまで幼児・小学生・中学生・高校生・大学生と全年代の体育・スポーツ・部活動指導してきた経験から、子どもの神経に着目したスポーツパフォーマンス向上を図る研究を行う。
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倉敷市立連島南小学校 教諭
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前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭
山形県立米沢東高等学校 教諭 -
近畿大学 語学教育センター 准教授
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大阪市立堀江小学校 主幹教諭
(大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年) -
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静岡大学教育学部附属浜松小学校 教諭
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兵庫県立兵庫工業高等学校 学校心理士 教諭
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浜松学院大学 現代コミュニケーション学部 子どもコミュニケーション学科 教授
前浜松学院大学短期大部 幼児教育科 特任講師 -
愛知県公立中学校勤務
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鹿児島市立小山田小学校 教頭
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元静岡大学教育学部特任教授兼附属浜松小学校長
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明石市立鳥羽小学校 教諭
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