2007.12.06
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「安心・安全」なものを食べたい!という方に朗報!!

狂牛病、鶏インフルエンザなどの事件、遺伝子組換え食品や食品添加物、農薬問題など、食の安全が脅かされている。子どもに安全なものを食べさせたい!と多くの親たちは思っているのではないだろうか。4歳のお子さんをお持ちで、教育ジャーナリストの花井有美子さんも、そんな一人。

誠実なもの作りにこだわる生産者の方々と、「本当にいいものがほしい」と悩む都市生活者たちの橋渡しとなるべく、WEBサイト「まあむ」を立ち上げ、「安心・安全」な食材を、消費者が直接購入できる「おとりよせ」&「ギフト」の通信販売を始めた。

 花井さんは、教育者の叔父に影響され、大学卒業後、国内外を取材するフリーの教育ジャーナリストとなった。
「でも、ただ現場のようすを取材して記事にするだけでなく、何か教育をよりよくするためのアクションを起こしたくなった」と花井さん。グローバル・スクール・プロジェクトというNPO法人を立ち上げる。そこでは、各地の学校を巻き込んで、みみずプロジェクト、渡り鳥プロジェクトなどおもに環境問題をテーマとした活動を行ってきた。これらの活動の中で、誠実に「安心・安全」なもの作りをしている生産者たちとのネットワークができ、「まあむ」の事業を立ち上げることになったという。

「都会には、安心なものを食べたい、でもどこで買ったらいいかわからない、という消費者たちがいる。生産者の側ではどこに売ったらいいのかわからない、そもそも誠実に作っている小さな生産者は、営業にかけられる時間とコストが限られています。だから、両者の橋渡しになれればいいと思ったのです」
まずは、11月に、宮城県の菅原秀敏さんのつくった特別栽培米の販売からスタート。今後、野菜、そば、食肉、酒、オーがニックコットン使用のベビーウェアなど100品目までアイテムを広げる予定だという。

 さて、そのお米だが、菅原さんの田んぼでは、農薬による害虫防除は一切行わない。また除草剤も農薬も使用しない。環境にも人にもやさしいお米づくりを数年来続けている。このような農法は大変手間がかかると聞くが、どうなのだろうか。
冬季潅水不耕農法で米をつくる菅原さんの田んぼ

冬季潅水不耕農法で米をつくる菅原さんの田んぼ

「菅原さんの田んぼでは、冬期湛水不耕起農法というのですが、稲刈りをした後、耕さずまた田んぼに水を入れます。こうすることによって、渡り鳥が落穂を食べ糞は肥料になる。農薬をまかなくても鳥やクモが、害虫を食べてくれます。生き物たちが土をよくしてくれるのです。また、除草しなくても、通常より大きく育った苗を植え、また前の年の根っこを伝って深く根を張っていくために、稲が強く、草がはえても収穫にはほとんど影響しません」
まるで、目からウロコのような話である。

 収穫された米は、普通は熟しきっていなくて青いもの、カメムシがかじって黒くなったものは除去されるが、その作業に使う機械は大変高額なもの。除去しなくても品質には問題がないので、菅原さんのお米は、その行程を入れていないという。

 ところで、気になる価格なのだが…。5kg 4550円、10kg 9100円(送料別)と結構お高め。いくらいいものが食べたいと言っても、高すぎて続かないという人も多いと思うのだが…。

「いろいろとコスト計算をして、会員制をとることにしました。年会費3500円をお支払いいただければ、10kg7900円でお分けすることができます。これなら、スーパーで販売されている無農薬のお米とそう変わりがない。もっと安くできればいいのですが、これが菅原さんのお米の適正価格。ここは、この価値の値段、ということで、共感していただければ嬉しいです。」

 あまりにも「何でも安く」、という流れは、農業の後継者を絶つことにもつながるのだという。いくら「安全・安心」なものを食べたい、といっても作る側がやる気をなくすような価格設定では、持続できない。消費者にも、“お金を出してモノを買う”だけでなく、“生産者を守る”くらいの心意気がなければならないのだろう。

「会員の特典は、価格だけではありません。生産者を訪ねるエコツアーの企画など、楽しい情報も提供していきます。子どもたちも、エコツアーで生産者に会って○○さんのお米だ、野菜だ、と思ったら、残さずにありがたくいただくようになると思いますよ」

 さて、私も、菅原さんのつくった玄米と白米をそれぞれ2合ずつおすそ分けしていただいた。玄米は、ひたひたの水に2日間浸して、発芽玄米にすると、白米と同じ条件で炊けるという。まずは白米から家族にはないしょで炊いてみた。お味のほうは…。ん? ほんのり甘い。かむほどに口の中にお米のおいしさが広がっていく。

「あれ、今日のお米おいしい」と子どもたちも気がついた。ふりかけも、おかずもいらない。もう、お米だけでいい! とぱくぱく食べてしまった。次は発芽玄米に挑戦の予定。菅原さん、ありがたくいただきます!!

取材・構成/学びの場.com 高篠栄子

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