科学の楽しさを知る2日間「アキバ・理科室2005」
子どもの理科ばなれが進んでいると言われているが、それは単に理科の持つおもしろさに気づいてないだけではないのか。今、必要なのは、そうした知的好奇心を満たしてくれる場の提供ということで、12月24日・25日の2日間、秋葉原ダイビルを会場に「アキバ・理科室2005」が開催された。会期中は、理科実験教室や理科グッズバザールを見ようと訪れた親子連れで賑わった。
理科実験教室にて「クリスマスイルミネーションをつくろう」 |
◆はんだを扱ってクリスマスイルミネーションに挑戦 ~理科実験教室~ 理科実験や科学工作の楽しさを知ってもらうには、やっぱり自分で体験してみるのが一番。「理科実験教室」には、お父さんやお母さんに連れられて多くの小学生が参加した。 その中の「クリスマスイルミネーションをつくろう」は、今回のアキバ・理科室がクリスマスと重なったことから用意されたもの。基盤にコンデンサやトランジスタなどの部品を、はんだ付けしてイルミネーションを完成させるというものだが、この教室で初めてはんだに触れるという子どもが多い。それでも、子どもたちは、やけどに気をつけながら、細かい作業に取り組んでいった。 ちょっとしたミスで部品を壊してしまいかねない電子工作を小学校で行うのは難しく、家庭で電子工作をする子どもも少なくなっている。しかし、工学の世界に興味を持ってもらうのに、機械の裏側が見られる電子工作は有効な手段。教室では、先生の説明を聞きながら、抵抗器やコンデンサ、トランジスタなどを基盤の正しい位置に取り付けていく。かなり細かい作業のため説明だけでは分かりにくい部分もあり、先生が作った見本を参考にしながら、はんだ付けを慎重に行っていった。 すべての部品を取り付けてから電池を付けると赤と青のLEDが点滅を開始。そのLEDの点滅が光ファイバーを伝わって、きれいなイルミネーションとなる。最後にモールで飾りつけをして、やっとクリスマスイルミネーションは完成。こうして、苦労して作った作品を記念に子どもたちは教室を後にした。 |
空気と音のサイエンス教室 |
また、「空気と音のサイエンス」の教室では、学校の理科の授業では見ることができないような実験の数々に、子どもたちは目を輝かせた。-200℃の液体窒素の中に風船を入れると、萎んで固まってしまうが、それを取り出すと再びふくらんで元に戻る様子に思わずビックリ。さらに、水を入れた一斗缶をコンロで温めてから冷やすと、何もしないのにへこんでいくのを見て、周りの空気が缶を押していることを実感できたようだ。 |
脳科学者の茂木健一郎氏 |
◆知りたいと思う気持ちが科学をおもしろくする ~理科セミナー、デモンストレーション~ |
ザ・ブレッドボードバンドによるデモンストレーション |
そして、この2日間で2回のデモンストレーションを行ったのが、ザ・ブレッドボードバンドのメンバー。ブレッドボードというのは、ICやコンデンサを穴に差し込むことで電子音が奏でられる機器。その様子は楽器の演奏というより、まるで何かの実験をしているようだ。どのような音が出るかは演奏するメンバーにも分からないので、最初は雑音のような音が鳴り響くが、手探りで調節するうちに段々と音楽が形成されていく。 |
理科グッズバザール会場 |
◆ズラリとそろった理科教材を手にとって体験 ~理科グッズバザール~ 普段は手に入らないような、理科の実験や観察に使われるグッズを一堂に集めたのが「理科グッズバザール」。来場者は、ここで展示されたグッズを、自由に手に取って、気に入ったものを購入していったが、その中でも目を引いたグッズを何点か紹介する。
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