科学者たちからのメッセージ スポーツのように科学を楽しもう

1月24日、お台場の日本科学未来館にて「境界線を越えた教育~グローバル知識創生網」と題したイベントが開催された。ノーベル賞科学者の白川英樹氏、宇宙飛行士の毛利衛氏らの豪華メンバーによるパネルディスカッションが行われたが、つい先ごろ相次いで発表された国際的な学力調査の結果を受け、学力低下、理科離れについても言及される興味深い議論となった。
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本イベントは、日米教育委員会日本フルブライトメモリアル基金の主催によるもの。同団体は、日米の教育交流を目的に運営されているもので、(1)米国から教育者を招聘し日本の教育や文化、産業などを学んでもらう(米国教育者招聘プログラム)(2)日米の学校がパートナーシップを組み、TV会議やインターネットを活用して共同で学習を行う(マスターティーチャープログラム)、(3)マスターティーチャープログラムに参加した日米の生徒と教員の交流と、日米の教育者による理科教育セミナー(日米共同理科教育ネットワーク・プログラム)が主な活動である。 ■ 地上300kmから見た地球とは 大型スクリーンに映し出される、青く輝く地球。宇宙飛行士でもあり、日本科学未来館館長でもある毛利衛氏が、地上300Kmの宇宙ステーションから撮った地球の映像である。 |
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■日米の共同学習 |
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■科学は面白いものであるし人の心を豊かにする 続いて、大学評価・学位授与機構 機構長の木村孟氏、筑波大学名誉教授の白川英樹氏、JT生命誌研究館 館長の中村桂子氏、日本科学未来館 館長の毛利衛氏、ウィスコンシン大学名誉教授のポール・ウィリアム氏、前述の白山義久氏によるパネルディスカッションが行われた。 「アメリカでも同様の問題を抱えている。教科書の内容をそのまま教えている教師は多い。しかし、教師はコーチでありプレイヤーでなければならない。自らが楽しんで、実体験を通して子どもたちに科学の楽しさを教えなければならない。スポーツが楽しい、絵を描くのが好き、音楽が好き、というのと同じように科学が楽しい、と言える状況を作るべき」と語った。 中村桂子氏は 白川博士は、日本科学未来館で毎月1回、子どもたちを対象とした実験教室で、直接指導をされているが、その活動を紹介しながら 毛利氏は学力低下の問題を受けて まだまだ話を聞きたい気持ちだったが、あっという間に時間となり、最後に日米フルブライトメモリアル基金プログラムディレクターのジョーンズ享子氏が、地域、学校、科学館、大学、行政などが垣根を越えて学び、知恵を共有できる「グローバル知識創生網」の形成を提言しつつ終了となった。 学力調査で日本の順位が下がったことは事実だが、それでも依然上位にあることに変わりはない。「小さな優劣にこだわらず、スポーツのように科学を楽しもう」、科学者たちのこのメッセージこそ、子どもたちにぜひ伝えたい。 |
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