2003.08.26
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全国の理科教育実践者が一堂に! 全中理東京大会

去る7月30日から8月1日の3日間にわたり、文京シビックセンターにおいて「豊かな人間性をはぐくみ、未来を拓く理科教育」をテーマに「第50回全国中学校理科教育研究会(全中理)東京大会」が開催されました。全国から理科教育関係者が詰めかけ、31日に行われた開会式には、3日間で最高の約1200名が参加しました。同大会の様子は、会場に設置されたライブカメラで撮影され、ボランティアの先生たちがその場で編集して、インターネットで全国に公開されました。




会場となった文京シビックセンター


会場のようすをインターネットで公開中。


実行委員長の中村日出夫氏(台東区立浅草中学校校長)


文部科学省 田代直幸氏による基調公演


分科会も盛況!

 

■ 豊かな人間性をはぐくみ、未来を拓く理科教育

 全中理は、昭和28年に理科教育振興法の設立とともに結成され、翌29年に第1回の全国大会を開催。今年で50年目を迎えました。この間、理科教育が科学技術立国日本の発展に寄与し、今の豊かさをもたらしたことは万人の認めるところと言えるでしょう。しかし、物質的な豊かさの一方で、凶悪事件の低年齢化などにみられるように、心の豊かさが欠けてきたとも指摘されています。また、科学の発展が、さまざまな環境破壊をもたらしているという事実からも目をそむけるわけにはいきません。
 このような背景をうけて、今回の大会テーマ「豊かな人間性をはぐくみ、未来を拓く理科教育」、研究主題「自然から学び、創造し続ける理科教育」が設定されました。

■これからの理科教育はどうあるべき?

 開会式の後、「これからの理科教育の展開 -指導の改善の視点から-」と題して文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官の田代直幸氏による基調講演が行われました。平成13年度に行われた「小学校・中学校の教育課程実施状況調査」結果をふまえ、

(1)目的意識をもった主体的な活動の推進
(2)日常生活との関連付け
(3)科学的な思考力,表現力の育成
(4)観察,実験に関わる指導の充実

の4点を改善の視点とし、
「理科の指導の改善には、生徒の目的意識をもった主体的な活動を推進することが重要」と結びました。

 基調講演に続き、午後から行われた分科会では「自然から学び、創造し続ける理科教育」という研究主題に基づき、全国から25校の先生がたが研究発表を行いました。質疑応答では積極的な質問や意見が交わされ、また、アンケートでは「子ども達を前に日々実践に力を注いでいる様子をみて、学ぶべきことが多かった」「授業のかける先生がたの熱意に感動しました」などの意見が寄せられました。

 今大会の様子は、全中理のメーリングリストで逐一報告され、準備段階からその盛り上がりが伝わってきていましたが、大会期間中は臨時のメーリングリストも立ち上げ、大会の出席者同士が自由に意見交換ができる場となりました。

 理科離れが叫ばれ、またIEA(国際教育到達度評価学会)の調査結果では、理科が「嫌い」「大嫌い」が41の参加国の中で1位を記録するなど、科学技術立国日本の将来が危ぶまれる昨今、全国の理科教育実践者が一堂に集い、理科教育のあり方を熱心に語り合った3日間は大きな意味を持つのではないでしょうか。
 来年は岩手県での開催が予定されています。今後の全中理の活動にもおおいに期待したいところです。


 
★おもしろ実験講座~夏休みの小学生大集合!

 今回の第50回大会開催を記念して、7月28日から3日間、文京区立教育センターにて「おもしろ実験講座」が開催されました。これは、文京区教育委員会と全中理、都中理が主催して行ったもので、3日間で文京区内の小学生が参加しました。1日に3種類の実験を体験できるとあって定員の3倍もの人気があったのだそう。
 初日は「銀の葉のペンダントをつくろう」「自分色のクレヨンをつくってみよう!」「物質は変化するとどうなるんだろう」という実験が行われました。


まずはクレイをよくこねます

アートクレイの使い方を聞きます

こねて伸ばして・・・

ヒビが入っていないかよく見てね

みんなの作品を乾燥させます

ようみゃくって何をしているのかな?

ようみゃくは人間の血管みたい

焼きあがった作品をピカピカにみがこう

お父さんも一緒にクレヨン作り

まずはロウを量ってみよう

どんな色のクレヨンにしようかな?

バーナーの使い方も勉強だね

抹茶のような色になったよ

できあがったクレヨンを冷まします

こぼしちゃった!みんなでそうじ

色の勉強もしたよ

ロウソクを溶かそう

石灰岩を観察してみよう

できあがったロウソク

ロウソクの芯をゆっくり入れて・・・

焼いた石灰岩がムラサキ色に!

 

(取材・構成 学びの場.com)
 


全中理ホームページ

 

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