2023.03.27
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TERAKOYA Program イコールチャンス株式会社のキャリア教育プログラム

キャリアの総合カンパニーであるイコールチャンス株式会社(東京都中央区築地)が、2023年1月~3月に実施した出前授業の取組を紹介します。学校のニーズに合わせて企画し、講師とつなぎます。

授業事例の紹介①-「防災」

親子で知ろう!災害から身を守る~東日本大震災を中学校2年生で経験したあの日の出来事と私が伝えたい事

愛知県丹羽郡扶桑町立柏森小学校(PTA主催・任意参加)

  • いのちをつなぐ未来館 川崎杏樹さん

  • 主宰 小川圭美

PTAが毎年主催するイベントを「どうせやるならもっと子どもたちにとって意味ある活動にしよう」と発起したことからTERAKOYA Programとつながり、課題をヒアリングしたところ、プログラミングやICT活用の出前授業オファーは外部からあるものの、必ずくると言われている南海トラフ地震への備えとして「防災」をテーマにした実践的な授業を開催したいという潜在的な意向が見えてきました。

そこで、いのちをつなぐ未来館(岩手県釜石市)職員の川崎杏樹さんに、地震の規模と恐怖、とっさにとった行動についての体験談を語っていただき、その後、親子ワークとして、実際に家の中から震災時に備えておくべきものや、持ち出すものなどを3分間で用意し、何を持ってきたか、なぜそれが必要と思ったのかをそれぞれの言葉で話してもらう授業を企画し、2023年1月21日(土)にオンラインで実施しました。

感想:

  • 避難するときは先生の指示を待つだけではなく、自分の頭で考えて行動することが大事だと思いました。また、災害が起こる前に避難する場所に必要なものを準備することが大事だと思いました。(児童)
  • 自分で考えて行動するという、今回学んだことを生かして今後の教育に生かしたい。災害に備えて、防災グッズを揃えようとは思っているのですが、急な災害に対応できるような備えまでは出来ていなかったので今回の授業に楽しく参加させていただきとても勉強になりました。(保護者)
  • 震災を経験した人の気持ちを想像するといろんなことを思った。津波のいろ、においの記憶は鮮明でも、津波から逃げるときの記憶が途切れ途切れであるというコーチの体験の話が印象に残った。(教員)

授業事例の紹介②-「心の開放」「キャリアの立て方、心の持ち方」

東京都中央区立阪本小学校(5、6年生)

プログラミングや金融教育について先進的な取り組みをする阪本小学校。区内から生徒を募る形をとる特認校ですが、校長先生と5、6年の担任の先生は大きく二つの課題を抱えていました。一つ目は、地域柄中学受験に備えて低学年から取り組んでいる子が多く、勉強は出来る子が多い一方、すべての事に効率と意味を求めすぎる傾向にあり、心を使って感じたり、感性を開放して取り組むことが苦手だということ。二つ目はキャリア教育の実施で、先生方は「教諭としてのキャリアしかないため、世の中に色々な職業がある事や、社会に出てからのキャリアの立て方について教えられない」というものです。

そこで、2023年2月21日にアート授業、同年3月13日にキャリア授業を実施することになりました。

①「手で指で直接描く!心を開放して、自由に自分を表現する 当たり前の枠を外して可能性を拡げよう」

アートの授業では、講師にディズニーやポケモン、サンリオとのコラボで有名で、国内外で幅広く注目されるアーティストの絵子猫さんを招きました。ぺんてる株式会社に9色ゆびえのぐを、平和紙業株式会社に9種の異なる紙質、色の紙を提供いただきました。

絵子猫さんに、絵を職業にするに至った生い立ちを語ってもらい、ライブドローイングを見せてもらった後、個人やグループで、テーマを決めず自由に描くワークを行いました。出来上がった作品をプロカメラマンが撮影・データ化し、それを絵子猫さんがコラージュにした作品に仕上げました。また、優秀賞受賞者には絵子猫さんと協賛企業から記念品が贈られました。

感想:

  • 私は絵を描くときに「うまく書こう」と意識してしまって思い通りに行かなかったりして「これは失敗作だ」と決めつけてしまうことがありますが、今回の授業で絵は自分の書きたいことや想いが絵に写せればいいということが分かりました。
  • 絵は丁寧にうまく書き、実物に近いものを描くものだと思っていましたが絵心のない自分でも楽しく感じました。
  • 図工のとき「絵の具は難しいし手が汚れるから嫌だな」と思っていました。今回の授業で絵子猫さんが書いた絵を見て「自分もこんな絵を描きたいな」と思うことができ、次の図工で絵の具を使うのが楽しみになりました。意識が変わりました。
  • 絵は技術だと思っていたせいで、僕は絵が下手だと思っていました。でもこの学習を通して一人一人作品があって上手や下手なんてものはないということを知りました。
  • グループのアートがすごい色になってもコーチが「いいね」と言ってくれたことがうれしかったです。(以上、児童)
  • 卒業式を控える子どもたちにとって、心の在り方を考えるきっかけになったのでは。(校長)
  • 普段絵を描く活動に身が入らない子どもたちが、こんなに楽しそうに自由に打ち込んでいるのに驚きました(学級担任)

②「無意識の思い込みに気づいたら世界が違って見えてきた!Be Yourself~自分らしくあれ!」

キャリア授業では、Crypto.com社 人事戦略ディレクター兼、個人でも人事コンサルティングの会社を運営する河村大督さんを講師に招きました。

河村さんの幼少期や、南米・北米での生活で学んだことを紹介いただいた後、「アンコンシャスバイアス=無意識の偏見」を認識するワーク、身近にあるアンコンシャスバイアスを考えるワーク、付箋に将来なりたい姿、熱中している事、中学の抱負を自由に書くワークを行いました。

以前勤めていたグーグルやトヨタが大事にしていた価値観、自分らしくいることの重要性についても語っていただきました。

感想:

  • 自分の中に無意識の思い込みがあると考えたことがなかったけど、バイアスが沢山あると気づいた。
  • 自分らしく生きていこうと思うようになった。
  • 世の中にはアンコンシャスバイアスが多いなと感じた。
  • 周りと違っても良いと言ってもらってから、自分をもっと出そうと思った。
  • 以前と比べて、色々な人と話したくなった。(以上、児童)
  • 難しいテーマを、表面的でなく多面的に分かりやすく子どもに伝わっていました。(校長)
  • 自分達は勤務する学校を選んだり、教諭以外の職業に就く事は出来ませんが、プロの方に授業をしていただいたことで、子どもたちが自分の意志でキャリアを選択するのに大事なことを伝えてもらったと思います。(学級担任)

授業事例の紹介③-「キャリアと職業」

パパママジョブフェア&白熱!職業かるた大会

東京都中央区月島第一小学校(6年生)

現在日本の子どもたちは親の仕事を知らないと言われており、「親の仕事を知っているか」という質問に対しての回答は、日本は世界的に見てワースト2位という結果(経済産業省OECD「将来に夢:10代の若者のキャリアへの期待と仕事の未来」2021年1月調査より)が出ています。親の職業への興味が希薄なこと、また変化し続ける労働市場の需要について情報が十分に伝達されていないことを先生達は危惧しており、これから中学に進級する子どもたちに、はなむけになるような授業になりながらも、楽しみながら沢山の職業があることを知り、自分のキャリアに関心を持つきっかけとなるような授業をという思いに応え、企画しました。

事前宿題として、保護者への職業インタビューをしてもらいました。

2023年3月14日(火)当日は、担任の先生の職業観クイズの後、5名の保護者に登壇していただき、児童のインタビューを通して職業を当てるクイズを行いました。その後、児童の保護者の職業のかるたを用いて、クラス対抗のかるた大会を行いました。かるたのイラストは、宝島社「日本の給料&職業図鑑パーフェクトバイブル」より提供いただきました。

最後に、これからキャリアを積む児童たちへ、キャリアの立て方と心の持ち方へのメッセージを伝えました。

感想:

  • 知らない仕事がたくさん知れて、とても楽しかった!
  • 自分の親だけでなく同級生の親の職業も知ることで、仕事の重要性の理解と両親への尊敬も深まりました。
  • 今まで遠い存在だった「仕事」というものを知ることができ、興味を持ちました。
  • 夢の目指し方はたくさんあるのだと気づきました。私は将来の夢が見つかっていません。けれど色々な職業を知り、自分が目指す仕事を見つけていきたいと思いました。
  • 夢は仕事だけじゃないんだという話が聞けて、自分が好きなことを続けていこうと思うことができました。(以上、児童)
  • 楽しみながら、世の中に沢山の授業があることと、育ててくれている親の職業とありがたみを子どもたちが知る、とても貴重な機会になりました(学級担任)
TERAKOYA Programについて

キャリアの総合カンパニーであるイコールチャンス株式会社(東京都中央区築地)主宰の「社会全体で次世代を育てる」仕組みを実現するキャリア教育プログラム。昨今の日本が抱える少子高齢化や地域とのつながりの希薄化による地域力と教育力の低下、教員不足、貧困の増加による教育格差の拡大といった課題を学校と企業、個人が共有し、未来の担い手となる子どもたちへ「科目にとらわれない生きた資質と能力」を育むキャリア授業を届ける。

2020年からの新学習指導要領である「社会に開かれた教育課程」の実現を、教員数と予算に限りがある学校側に負担させることなく、企業のCSR活動、個人のプロボノ意志をつなぎ、生きたキャリア教育授業として提供している。

公立校は学校により課題が異なっており、それぞれの学校現場が抱える固有の課題、教員の先生達の想いをヒアリングするところから授業を企画し、課題に対してオーダーメイドの授業プログラムを届ける。

イコールチャンス株式会社について

2019年設立のキャリア総合カンパニー。主要事業は企業に対しての人事戦略と採用に特化したコンサルティングサービスと、個人に対してのキャリア設計サポートサービス。企業と企業、ヒトとヒトをつなげシナジーを生み出すノウハウを駆使して、「未来の担い手である子どもたちや地域社会にCSR活動を展開したい」という企業の意志や、「自分の専門性とスキルを次世代に還元したい」という個人の志をつなぎ、キャリア総合カンパニーのSDGs活動としてTERAKOYA Programを展開する。

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文・写真:イコールチャンス株式会社

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