新刊『3つの"感"でつくる算数授業』
学びの場.comの人気コーナー「教育つれづれ日誌」で教育エッセイを執筆されている高知県の小学校教諭 森寛暁先生の著作『3つの"感"でつくる算数授業』をご紹介します。
算数授業は,「安心感」「期待感」「納得感」の「3つの"感"」でつくる! 第30回全国算数授業研究大会×東洋館出版社創業70周年記念「教育書新人賞」(小学校算数部門)最優秀賞受賞作。
「3つの“感”」とは?
・安心感
・期待感
・納得感
一見、いたってシンプル、至極ストレートな主張ではあります。
しかし、その背景には、森先生の次のような問題意識がありました。
「いわゆる『パッケージ型』の授業でよいのか?」
「授業を行う上で、本当に大切なこととは?」
「どの子どもも、『できるようになりたい!』『わかるようになりたい!』と思っているのでは?」
教師が磨くべきものは、『授業技術』よりも『感性』なのでは?」
さまざまな経験を重ねて教員になったからこそ、教育界の慣習にとらわれず、まっすぐに子どもと向き合ったことで芽生えた考えなのかもしれません。
<目次>
まえがきⅠ 3つの“感”
1 3つの“感”の成り立ち
2 3つの“感”とは
3 安心感
4 期待感
5 納得感
Ⅱ 「3つの“感”」を支える「教師の3つの“かん”」
1 教師の3つの“かん”
2 学級づくりとその方向性~「3つの“感”」でつくる学級経営~
3 明示的指導
Ⅲ 「3つの“感”」はいつも子どもの中にある
1 図への安心感が見方・考え方を深める~かけ算九九の構成・暗唱・活用を通して~
2 教師の見取りが子どもの安心感を脅かす
3 期待感の行方
4 「やわらかな感覚への期待感」が生む自然な学び
5 期待感は教室を超える
6 期待感の高まりが知的な逞しさを生む
7 「今日みたいな授業は嫌で」に隠された新たな期待感
8 ズレを実感
9 「なっとくできない……」が、帰納的な考え方に火をつける
10 自らつまずき、自ら立ち上がる。その繰り返しの中で成長する考え方
あとがき~感謝と夢~
「3つの“感”」を大切にした授業とは?
「話し合い」を授業に取り入れる。
「問題解決」の型に沿って授業を進める。
指導計画どおりに授業を行う。
……授業を行う上で、いずれも大切なことではあります。
しかし、「授業の流れ」を優先するあまり、形式化に陥ってしまうことはないでしょうか。
森先生の授業では、子どもの「知りたい!」に応えるために、指導計画からそれることがあります。
子どもの「わからない……」というつぶやきから、手立てを変更することがあります。
ある子どもの「誤答」から、クラス全員でその子の思考過程に思いを馳せることがあります。
「3つの“感”」を大切にした授業は、子どもの思いを大切にした授業でもあります。
森寛暁先生より学びの場.com読者の皆様へ メッセージをいただきました!
算数授業を愛する先生へ
「算数は、ぼくにとって幸せな勉強です」
ある日、算数が得意ではない子どもが日記に書いた。わたしはその言葉を今もお守りのようにそっと心の奥に入れている。だって、そこには我々教師が忘れかけている大切な何かが隠れているから。いつか見つけて、「これだ」と叫びたい。アルキメデスのように。本当に大切なことは目には見えにくいのだろうか。
算数授業は、あなたにとってどんな時間ですか?
拙著を読んだら、どうぞ、教えてください。著者:森寛暁
判型:4-6判 204ページ
発行:2019年12月
出版元:東洋館出版社
【著者紹介】
森寛暁(もり ひろあき) 高知県公立小学校 教諭。
2018年、第30回全国算数授業研究大会および株式会社東洋館出版社創業70周年の記念事業「教育書新人賞」にて小学校算数部門の最優秀賞を受賞。本書は同賞の受賞により刊行されたものである。2020年4月より学びの場.com「教育つれづれ日誌」コーナーで教育エッセイを連載中。
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書籍情報・画像提供:東洋館出版社
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