2021.07.06
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高学年教科担任制の課題をどう乗り越えるか~「教師よし!」(3)

高学年の5・6年ブロック教科担任制を実施してから3か月が経過しました。既にコマ割りの問題点について紹介しましたが、実際に指導が始まるといくつかの課題が浮かび上がってきました。そうした課題を管理職の助言のもとで、チーム一体となって努力を重ねています。私たち高洲小学校のチームでの実践報告をお伝えします。同じような悩みをお持ちの方々と情報をシェアできれば幸いです。(タイトルの「活学校の社会」は省略しています)

浦安市立高洲小学校 教諭 齋藤 大樹

教科担任制を進めていく中で見えてきた課題

中央教育審議会答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」では、教科横断的な学習や教科担任制などが提言されています。
ブロック教科担任制を実現していく中で、この教科横断的な学びと教科担任制の両立が容易ではないことを感じました。また、指導上のルールの統一も課題の一つでした。

カリキュラムマネジメントと教科担任制の両立

年間計画表

教科担任制を実施する前、小学校現場では教科横断的な学習を容易に行うことができました。例えば、教育出版の6年生国語では「伊能忠敬」の教材文が設定されていますが、社会科の学習と関連させて学ばせることがあります。
本校は千葉県にあるので、総合的な学習の時間などに郷土の偉人として紹介することもありました。学級担任がほとんどの教科を指導しているので、他教科の進度を考えながら、時期を見て教科横断的な学習をスムーズに設定することができるのです。

しかしながら教科担任制では、教科横断的な学習を行いたくても、他教科の進度や学習内容が分からずに連携が不十分になることがあります。
本校の場合には他学年にまたがっての指導ですので、更に難しくなります。また、教科ごとの担当教員が一人でその教科の授業計画等を行うので、相談する相手がおらず不安感を抱えることもあります。附属などの学校や中学校の場合には、教科ごとに話し合う機会が多くあるでしょうが、なかなか教科部会の時間が取れないのが現状でしょう。

そこで、これらの課題に対処するために、教員同士で担当している教科の内容について話し合う機会を設けています。放課後になると、その日の授業や児童の様子について短時間でシェアするようにしています。話す内容を吟味して交流し、互いの進行状況や悩みを共有するようにしています。

他の工夫例として、5年生と6年生の学習内容を一目で把握できる表を作成し、他教科の学習内容を確認しやすくしています。管理職からアドバイスを頂きながら、どの学年も年間計画を一枚にまとめました。
このB4一枚にまとめたおかげで、さっと他教科の進度を確認できるようになりました。各教科担任の先生が、どの教科と連携しやすいだろうかと考えながら計画を立てたり、修正したりすることが容易になります。視覚的に分かりやすい資料を用いることで、打ち合わせの時間や機会を少なくすることができました。

学習ルールの乱立を防ぐ

共通理解事項

小学校は、かつて「学級王国」と呼ばれることがありました。それぞれの学級が独自のルールを持ち、教師は互いに他の学級に干渉し合わない状態が多かったように感じます。それぞれの教師が自分の流儀やこだわりを持っているプロフェッショナル同士だからこそ、お互いを尊重することも重要だったのでしょう。

教科担任制では毎時間担当教師が変わります。教科によって授業スタイルがあまりに異なると、児童も困惑してしまいます。それぞれの先生方のスタイルを尊重しながらも、本校では学習や授業規律・ノートの書き方・チャイムで着席することなどの共通のルールを教師間で共通理解しました。

特に、終了時刻の厳守を最も重要なルールの一つとしています。移動教室や次の授業の準備が遅れないようにするためです。チャイムと同時に終わることができるよう、見通しを持った指導を心がけています。それぞれの先生方の授業改善にもつながりました。こちらに関しては以前紹介したテンポを意識した授業づくりもご参照ください。


今回は、教科担任制を進めていく中で見つかった課題とその解決方法の提案をしました。管理職・教務主任・高学年チームの皆で力を合わせてこの教科担任制を育てていきたいものです。また折を見て実践リポートをお伝えします。

齋藤 大樹(さいとう ひろき)

浦安市立高洲小学校 教諭


一人一台PC時代に向けてプログラミング教育を進めており、市内向けのプログラミング教育推進委員を務めていました。
一部教科担任制を取り入れ、2年連続で総合的な学習の時間を指導しています。

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