2018.08.15
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「さぁ、話し合ってください」

簡単に使いやすい「さぁ、話し合ってください」を簡単に使わないために。

京都教育大学附属桃山小学校 教諭 若松 俊介

この夏、皆さんはどう過ごしていますか?

私は4日間、大学で免許更新講習を受けてきました。
教師になってからも研修やセミナーなどに参加していますが、
「授業」という形で先生から話を聴いて学ぶのは久しぶりでした。

いつもは授業をする立場。
今回は授業を受ける立場。
子どもたちの立場になってみることで気づくことがたくさんありました。

1番大きなものは、先生からの言葉がけです。

「さぁ、周りの人と話し合いましょう」

「主体的・対話的で深い学び」を実現するために、
周りの人と話し合いながら考えを深める時間をとる授業が増えました。
そんな中、皆さんはこのような声かけをしていないでしょうか?

もちろん有効的にはたらく時も多くあります。
私も普段の授業の中で、このような場面をつくります。

ただ、言葉だけはアクティブなだけで、
実際の中身はそうでない時も多いのではないでしょうか。

授業を受けていて、先生からこの言葉がけをされた時、
私は「こわいな」と思う時が何度かありました。
なぜなら、何を話し合っていいのかわからなかったからです。
「え、どういうこと??」「簡単に任されても困るな」と思ってしまいました。

・自分の中に何かしらの「問い」がある
・「何を考えるのか」という共通話題がはっきりとしている
・自分の考えを事前に持っている

・・のどれかが成立していると、
「他の人の考えを聴きたい」「自分の考えを伝えたい」
と思えることができます。
きっと活発に話し合うと共に、
その中身も充実してくるでしょう。

こうした場をつくること無しに、
「さぁ、周りの人と話し合ってみましょう」
と言われても、どうしたらいいか分かりませんよね。
言われ続けたら、その場がどんどんこわくなってきそうです。

子どもたちにアクティブさを強要するのではなく、
自然と「話し合いたい」「聴き合いたい」と思える場をつくりたいものです。
その中でこそ「深い学び」も実現していくでしょう。

「さぁ、周りの人と話し合いましょう。」という言葉。
簡単に言えちゃうからこそ、充分に吟味したいものです。
子どもたちが「話し合いたい」「聴き合いたい」と思える場をどうデザインするか。

自分自身が実際に経験したからこそ考えられたこと。
2学期以降の授業にもしっかりと活かしていきたいと思います。

若松 俊介(わかまつ しゅんすけ)

京都教育大学附属桃山小学校 教諭
「子どもが生きる」授業を目指して、日々子どもたちと共に学んでいます。子どもたちに教えてもらった大切なことを、読者の皆様と共有していければ幸いです。国語教師竹の会所属。

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