2009.01.19
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『運動の特性を味わえる授業づくり』(5年生「タグラグビー」より)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

 昨年度もこのつれづれ日誌で5年生の「タグラグビー」の報告をさせていただきました。(以下に昨年度の報告)

http://www.manabinoba.com/index.cfm/8,9463,21,129,html?year=2008

 タグラグビーは、普通のラグビーと違ってタックルなどの接触プレーを排除した新しい形のラグビーです。児童は腰にベルトをつけ、ベルトの左右に2本のタグをつけます。そして、その2本のタグを取ることでラグビーでのタックルのかわりになります。タグラグビーはドリブルがなくまた接触プレーもないため、どの児童でも積極的にプレーをすることができます。

 今回の授業実践で昨年度と大きく変えたことがあります。それは「運動の特性」を味わわせることをさらに意識してあることです。運動の特性とはその運動が本来持つ面白さのことで、タグラグビーでは以下のような特性が考えられます。

(1)練習を工夫して、パス、ドリブル、トライがうまくなっていくと楽しい。【写真上】
(2)(1)をペア(チーム)で協力して練習すると、ボールに触る回数が増えて楽しい。【写真中】
(3)チームで作戦を工夫し、ゲームで生かしていけると楽しい。【写真下】

これらの特性を十分に味わわせるための工夫を行いました。

 まずは、基本練習のやり方を見直しました。昨年度はペアでただボールをパスして受け取る練習をしていたのですが、それではパスをしながらボールをまわしたり、パスを受け取ってトライをするなど、運動の特性を味わうための練習になりません。そこで、今回はペアでランニングパスをしながら最後にトライをする練習と、走りこんでパスをもらってトライをする練習をとりあげました。そうすることで、どちらかというと運動が苦手な児童もトライをする喜びを味わうことができました。

 また、チームの作戦もきちんと意識させてゲームを行わせました。具体的には攻め方の基本パターンを掲示し、作戦を立てやすくしました。また、作戦盤を使って具体的にチームのメンバーの動きを考えさせました。ゲームではなかなか作戦を生かしきれなかったところもあったのですが、作戦を立てる面白さは十分に味わったと思います。
 
今後も運動の特性を十分に味わえる授業づくりを工夫していきたいと考えています。
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菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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