2008.01.07
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みんなでトライ! タグラグビー

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

 「みんなでトライ!」を合言葉に5年生の2学期最後の単元、「タグラグビー」の授業が行われました。「タグラグビー」というスポーツは1990年代はじめにイギリスで生み出され、タックルなどの接触プレーを排除した新しい形のラグビーです。プレーヤーは腰にベルトを着け、そのベルトの左右に2本のタグをつけます。そしてそのタグをとることで普通のラグビーのタックルのかわりになります。今回の授業に際して、日本ラグビーフットボール協会様から本格的なタグセットをお借りし、元気よく授業を開始しました。

 授業の始めにまずは慣れの運動を行います。2人組のボール回しから、チームごとの円陣パス、そして試合に生かすために「タグ取り鬼」という鬼ごっこをしました。ボールはいつも使っているものとは違い楕円形をしているので扱いが少し難しいです。そこで「たまごを渡すように丁寧にボールをパスしよう」という声かけを行い、相手に取りやすいパス回しの練習ができました。また、「タグ取り鬼」ではタグを取られないように巧みに相手をかわす方法や、相手のタグを上手にとれるコツをつかんでいきました。

 基本的な動きを練習したあとはいよいよゲームです。1チーム4人で前半後半5分ずつゲームを行います。タグラグビーはボールをもって走れるので、ボール運動に自信のない児童でもプレーを楽しむことができます。また、チームも4人と少人数にしてあるので全員の児童が試合に積極的に参加することができました。
 運動が得意な児童が相手の陣地までボールを運び、それを守りのチームが必死で追いかけタグを取り、タグを取られた児童はすぐにボールをパスしてトライをとるというようなスリリングな攻防がたくさんみられました。多いときでは32人中18人がトライを決めることができました。

 この実践の成果として、本校が授業の重点として設定している、児童の「できる!」(有能感)「できそうだ!」(統制感)「受け入れられている!」(受容感)という思いを高めることができたことが挙げられます。特に「受け入れられている!」という思いを高めるために教師の声かけを多くしたり、児童同士の学び合いを多くしたことで授業開始時のアンケートの数値よりも大幅に数値を上げることができました。また、「できそうだ!」という思いを高めるために、学習カードによる自己評価を取り入れたり、慣れの運動をメニュー化し基礎的な動きを身につけるようにすることで数値を上げることができました。
 課題としては7回の授業の中で十分に技能面の習熟を図れなかったことが挙げられます。個人的な技能もチーム戦術のような技能もなかなか指導をすることができませんでした。そのようなこともあり、「できる!」という思いを表す数値は「できそうだ!」「受け入れられている!」という思いを表す数値ほど向上しませんでした。

 3学期には同じボール運動の「サッカー」の授業があります。そこでは今回の反省を生かして、技能面の向上にも力を入れていきたいと考えています。
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菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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