2021.08.11
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家庭科での一人一台端は相性抜群!

6月より校内事情で家庭科専科となった清水です。授業UD加配としての勤務から(非常勤講師と)一転、家庭科専科となり授業スタイルの見直しを図ってきた一学期となりました。
家庭科の授業を進めていくにつれて、教科の特性と一人一台端末の環境(本校ではChromebook)の親和性は非常に高いと感じています。

長野県公立小学校非常勤講師 清水 智

1.Classroomを使って事前に情報共有化

朝7時半にクラスルームを通じて配信。見通しをもって週1回しかない授業。見通しをもって家庭科室に入れるかどうかがカギ。

非常勤講師として勤務しているので、在校時間が限られています。(週20時間・年間700時間上限)

ですので、児童と授業時間以外で関われるのも、それほど多くはありません。そこで活用してるのが「Google Classroom」です。私からのメッセージやその日の予定・学習の進め方等を授業のある日の朝7時半に配信することを定例とすることで、3・4時間目(10時45分〜12時20分)の時間より前に多くの児童が学習の見通しをもつことができます。

また、校務支援ソフトを使用して、学級担任とのコミュニケーションを図ることも可能ですが、学級担任にもClassroomの教師役として入ってもらうことで、実際の授業の進行や教材・持ち物等について共通理解を図る上でもメリットは大きいです。

2.焦点化した学習のふりかえり

冒頭では6年最終単元を見据えて、SDGsの話題提供。色付きの学習場面において端末利用。ふりかえりは全員がフォームに記入。

学習の「ふりかえり」を校内研究の重点に置いている学校ということを踏まえ、家庭科においても4教科と同様に「学習のふりかえり」毎時間実施しています。ただし、実技教科という特性もありますので、実習の時間も確実に確保したいところです。

そこで、家庭科の授業においてはノートに鉛筆で書くということはやめて(この決断がスパッとできるのも学期途中からの専科ならでは)、Google Formsへの選択式・記述式のふりかえりにしています。

あらかじめ設定した児童に考えさせたい項目を選択式にすることで、ローマ字入力が苦手な児童もふりかえりをしやすくなります。また、自由記述を文字数制限や授業で使用した用語をキーワードとして必須入力にすることで、焦点化した学習のふりかえりを実施することができます。

3.集計の即時化・視覚化で次時への予告へ繋げる

フォームにふりかえりとして「学習進度」を記入することで、あいさつをする頃には次時の予告についても触れることができる。データのグラフの即時化。

上記②で実施している「ふりかえり」は、Google Formsで実施することで、集計の即時化にも繋がっています。私が特に有効だと感じているのは、すぐにグラフ化される視覚化です。

例えば、Google Formsでの質問を選択式にすることで、家庭科室内の児童全員の進度が瞬時にグラフ化され、授業者側が視覚的に把握することができます。授業終了時の挨拶をする頃にはデータが集まり、次時の予告として話すことも可能です。

教材・教具の片付け等も授業者が行うことが多い家庭科において、限られた時間内に授業の進行だけではなく、授業時間内に児童の学習進度を把握できるのは非常に有益です。

4.動画を使って個別最適化を図る

裁縫における実習では、メーカーから提供されている動画をClassroomからLINKしています。メーカーが作成している動画というところがポイントで、児童が使用している教材と同じものが、画面内でも映し出され、手順も分かりやすく説明されています。
児童は動画の再生・停止だけではなく、画面の拡大や早送り等も自分で行うことができ、実習における個別最適化を図ることができます。
もちろん、これまでの授業スタイルと同様に学級全体へのモデル提示(お手本)や机間指導は実施しています。この一人一人が動画を使う・使わないを選べる授業環境を設計していくことが重要であると考えます。

こうなると、授業者の役割は今まで「お手本を全員に示す」というものから、より「児童をサポートする」「授業の進行をファシリテートする」「対話的な活動を促す」役割が強くなっていくように感じています。

清水 智(しみず さとし)

長野県公立小学校非常勤講師


元東京都公立小学校主幹教諭/現長野県公立小学校非常勤講師/教育ICT・学級経営コンサルタント/Google認定教育者レベル2

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