2014.03.10
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

特別支援学級でできる調理実習 ~スマイル3部作

東京学芸大学教職大学院 准教授 増田 謙太郎

スマイルクッキースマイルホットケーキスマイルお好み焼き くま

今回のつれづれは、わたしのクラス(特別支援学級3・4年生)で今年度行った調理実習の紹介です。

 

 

(1)スマイルクッキー(1学期に実施)

・プレーン生地と、ココアを入れた生地の2種類の生地を作ります。

・それを金太郎飴の要領で、海苔巻のようにします。

・冷蔵庫で冷やしたあと、切っていきます。

・写真を見てもらえればわかりますが、スマイルじゃないクッキーもたくさんできます(笑)。

 

 

(2)スマイルホットケーキ(2学期に実施)

・これも、プレーン生地と、ココアを入れた生地の2種類を作ります。

・ココア生地を絞り器に入れて、ホットプレート上で目と口を作ります。

・そして、その上に、プレーン生地を顔の形に流し入れます。

 

 

(3)スマイルおこのみやき(3学期に実施)

・具が何もないプレーン生地を作ります。

・大きめに焼いて、焼けた後に、顔と耳を型で抜きます。

・スライスチーズ、海苔、青のり、ケチャップなどを使って、好きな動物の顔を作ります。「クマ」や「カエル」なんかがかわいく作れると思います。

 

 

 そもそも、特別支援学級で行うべき「調理実習」とは、何のためにあるものなのでしょうか。

 

 多くの先生からは「将来、食べるものに困らないようにするため。自立のため。」という答えが返ってくると思います。

 

 わたしも、そう思って、これまでけっこうストイックなほど、調理実習を行ってきました。

 毎週、必ず調理実習の時間を設定したり。

 校内宿泊で、夜ごはんをつくったり。

 夏休みに、お昼ごはんをつくったり。

 

 それはそれで、楽しい活動で、料理の技術のスキルはついたのでしょうけど。

 

 

 でも、いろいろ時代は変わってきています。

 

 おなかがすいたとき、スーパーでもコンビニでも、なんでも買える。

 親の意識や、社会の要請を見ても、小学校で教えるべきことリクエストに「調理技能」は入ってこない。

 特別支援の高等部が充実して、職能的なスキルを開発してくれるようになってきている。これはとてもいいこと。

 

 

 特別支援学級の子供たちが置かれている状況は、確実に変化してきています。

 

 そんな時代に、「スマイル」を。

 子供たちに、「スマイル」を。

 

 とにかく、歳を取ってくると、スマイルが足りなくなってくる自戒を込めて(笑)。

増田 謙太郎(ますだ けんたろう)

東京学芸大学教職大学院 准教授
インクルーシブ教育、特別支援教育のことや、学校の文化のこと、教師として大事にしたいことなどを、つれづれお話しできたらと思います。

同じテーマの執筆者
  • 吉田 博子

    東京都立白鷺特別支援学校 中学部 教諭・自閉症スペクトラム支援士・早稲田大学大学院 教育学研究科 修士課程2年

  • 綿引 清勝

    東京都立南花畑特別支援学校 主任教諭・臨床発達心理士・自閉症スペクトラム支援士(standard)

  • 岩本 昌明

    富山県立富山視覚総合支援学校 教諭

  • 郡司 竜平

    北海道札幌養護学校 教諭

  • 植竹 安彦

    東京都立城北特別支援学校 教諭・臨床発達心理士

  • 渡部 起史

    福島県立あぶくま養護学校 教諭

  • 川上 康則

    東京都立港特別支援学校 教諭

  • 中川 宣子

    京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会

  • 髙橋 三郎

    福生市立福生第七小学校 ことばの教室 主任教諭 博士(教育学)公認心理師 臨床発達心理士

  • 丸山 裕也

    信州大学教育学部附属特別支援学校 教諭

  • 下條 綾乃

    在沖米軍基地内 公立アメリカンスクール 日本語日本文化教師

  • 渡邊 満昭

    静岡市立中島小学校教諭・公認心理師

  • 山本 優佳里

    寝屋川市立小学校

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop