今回のつれづれは、わたしのクラス(特別支援学級3・4年生)で今年度行った調理実習の紹介です。
(1)スマイルクッキー(1学期に実施)
・プレーン生地と、ココアを入れた生地の2種類の生地を作ります。
・それを金太郎飴の要領で、海苔巻のようにします。
・冷蔵庫で冷やしたあと、切っていきます。
・写真を見てもらえればわかりますが、スマイルじゃないクッキーもたくさんできます(笑)。
(2)スマイルホットケーキ(2学期に実施)
・これも、プレーン生地と、ココアを入れた生地の2種類を作ります。
・ココア生地を絞り器に入れて、ホットプレート上で目と口を作ります。
・そして、その上に、プレーン生地を顔の形に流し入れます。
(3)スマイルおこのみやき(3学期に実施)
・具が何もないプレーン生地を作ります。
・大きめに焼いて、焼けた後に、顔と耳を型で抜きます。
・スライスチーズ、海苔、青のり、ケチャップなどを使って、好きな動物の顔を作ります。「クマ」や「カエル」なんかがかわいく作れると思います。
そもそも、特別支援学級で行うべき「調理実習」とは、何のためにあるものなのでしょうか。
多くの先生からは「将来、食べるものに困らないようにするため。自立のため。」という答えが返ってくると思います。
わたしも、そう思って、これまでけっこうストイックなほど、調理実習を行ってきました。
毎週、必ず調理実習の時間を設定したり。
校内宿泊で、夜ごはんをつくったり。
夏休みに、お昼ごはんをつくったり。
それはそれで、楽しい活動で、料理の技術のスキルはついたのでしょうけど。
でも、いろいろ時代は変わってきています。
おなかがすいたとき、スーパーでもコンビニでも、なんでも買える。
親の意識や、社会の要請を見ても、小学校で教えるべきことリクエストに「調理技能」は入ってこない。
特別支援の高等部が充実して、職能的なスキルを開発してくれるようになってきている。これはとてもいいこと。
特別支援学級の子供たちが置かれている状況は、確実に変化してきています。
そんな時代に、「スマイル」を。
子供たちに、「スマイル」を。
とにかく、歳を取ってくると、スマイルが足りなくなってくる自戒を込めて(笑)。
増田 謙太郎(ますだ けんたろう)
東京学芸大学教職大学院 准教授
インクルーシブ教育、特別支援教育のことや、学校の文化のこと、教師として大事にしたいことなどを、つれづれお話しできたらと思います。
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