2020.12.23
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5つのポイントでやってみよう!~自学ノート~

ご覧いただきありがとうございます。私の住む白馬山麓 #hakubavalley は、やっと降雪が続き、近隣のスキー場もオープンを迎えております。移住前に勤務・住んでいた、東京都小笠原村では、自宅・勤務校・海が一体となった生活を送っておりましたが、長野県白馬村では、自宅・勤務校・山が一体となった生活となっており、冬シーズンはスノースポーツに親しむ時間が多くなります。

さて、今回のテーマも前回に引き続き「自主学習」「自主勉強」です。私の住む長野県では「自学」と呼ばれる類のもので、一般的には学校から出される課題=宿題とは区別化されて認識されていると捉えています。コロナ禍もあり、中学校を中心に自学の流れが加速化している様子があります。
今回は、自学ノートにおける5つのポイントについてお伝えします。冬休みの直前、各学校・学級で宿題が出されるとは思いますが、宿題そのものについてご家庭や学校で考えるきっかけになればと幸いです。

長野県公立小学校非常勤講師 清水 智

実施時間を決めて行おう

「累計」時間に重点を置くことをオススメします。「学年×10+10分」という数値が示されることがありますが、明確な根拠があるのでしょうか。
「勉強時間による学習の定着・集中力に関する実証実験(進研ゼミ中学講座・東京大学 薬学部の池谷裕二教授) 」によると、「連続して60分」勉強を行ったグループよりも「休憩をはさんで15分×3(計45分)」勉強を行ったグループの方が、テストの点数が高いという結果が出たそうです。
15分を3セット。この3セットというのが、この後のポイントにも関連してきます。

見開き2ページでやろう

某有名自動車企業の業務上の書類は、すべてA3またはA4サイズの紙1枚に収める、という習慣が企業全体の文化として根づいています。
ページ数を絞ることで無駄が無くなり、学習思考も精選化されていきます。何よりも、学習時間を15分3セットと考えた場合、見開き2ページをしっかり丁寧に書くだけで時間的には十分です。学びたい内容が多くても、見開き2ページに収まるような工夫が生まれてきます。

ページ数・日付・実施時間も書こう

後々の記録となるものであり、インデックス・索引を作成する場合のヒントにもなります。
特に累積ページ数は、後の自分の数値的な財産にもなりますので、必須です。

バッチリメニュー(国語・算数)とワクワクメニュー(その他・探究)のバランスを取ろう

自作テンプレート。フレーム(枠)があると、終わりが見えて安心感が生まれます。

*バッチリメニュー(約30分間)=15分間2セット
漢字・計算・専門用語の解説など、基礎学習・知識理解と呼ばれるもの

*ワクワクメニュー(約15分間)=15分間1セット
思考力を高める問題や、自分の興味関心に基づくテーマを探究しているもの。

ここに15分間3セットという「勉強時間による学習の定着・集中力に関する実証実験(進研ゼミ中学講座・東京大学 薬学部の池谷裕二教授) 」の結果を応用することができます。
例えば、帰ってきてから15分間1セット目として漢字。ご飯を食べる前に15分間2セット目の算数。または順序が入れ替わって、算数よりも前に2セット目としてワクワクメニューを実施してしまい、翌日学校に行く前にバッチリメニューの残り15分間1セットを行う。15分1セットを1単位時間として実施する意味が出てきます。
特に、バッチリメニューに関しては基礎知識・技能となるものですから、学校で使用しているドリル等を使うことで、心配されることも多い「基礎学力の定着」という点で保障されます。ここが、やらされている宿題から自らやっている宿題への主体的学習者へのマインドセットとなります。

ふりかえりを書いておしまい!

学習の最後に自己評価を書きます。自分の問題の解き方や学び方を振り返るメタ認知が21世紀型能力の思考力を支える一つとして重要視され、ふりかえりをすること自体の認知度や重要性は高まっているように思えます。
記述型や数値評価(4段階がオススメ。3段階だと中央値2を選びがち)など方法はいろいろなタイプがありますが、大事にして欲しいのは、学習者のPDCAサイクルとして、良かったところ(継続)と改善点(もっと良くなるところ)の2点に絞るというところです。
ネガティブ評価も良いのですが、あくまでも未来志向のための自学ノートですから、失敗を成功の母として捉えるポジティブ評価意識を、ふりかえりの場面では身に付けてほしいなと感じます。

おわりに

今回は自学のノートの基本的なポイント5つについてお伝えしました。ノートの使い方に関しては、ある程度のテンプレートがあった方が、自学に取り組みにくいお子さんでも書きやすさの一つの要因になると思われます。
もちろん、最初からどんどん書ける・進めていけるお子さんはそうではないかもしれませんし、むしろ自分スタイルの自学ノートを確立していく方が、自律的な学習者としては理想だと思われます。
自律的に学習する習慣・スキルが無いにもかかわらず、自学に取り組まなければいけないのは自学が目的化してしまっている状態です。

次回は、上記の5つのルールを踏まえたうえでのメニューをご紹介します。

清水 智(しみず さとし)

長野県公立小学校非常勤講師


元東京都公立小学校主幹教諭/現長野県公立小学校非常勤講師/教育ICT・学級経営コンサルタント/Google認定教育者レベル2

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