2017.09.19
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ベテラン・中堅先生が,若い先生にやったらあかんと思う5つのこと

どの業界でも,ベテランの立場から次の世代への技術伝達が
行われます。
教育業界でも同じです。
盛んにOJT......とついた研修会が行われています。
私が感じる,考える,若い先生(20代,30代)の先生方に,
やったらあかん(いけない)と思うことを綴ります。
もちろん若い先生に遠慮するとか,媚びる気持ちは,ないですよ。

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV) 関田 聖和

1.昔の方がもっと大変だった

私は,

「私たちがしてきた昔の方が,もっとたいへんだった」

とか,

「今の人たちは,昔と違って恵まれている」

と先輩から言われたら……。
私の心のシャッターが,ガラガラと音を立てて,閉店状態になってしまいます。

これって,若い先生方にも言えるんではないかと,心している一番のことです。
校務分掌も,デジタル化により,手書きからパソコン処理で楽になりました。
この点から,私もつい言ってしまうときもあるのですが……。

今の時代って,決して恵まれているわけではないんですよね。
と言って,昔が恵まれてなかったわけでもない……。
その時代それぞれの良さがあり,また課題もあり……。

科学も日進月歩。
教育界も,「〇〇教育」や「〇〇育」って呼ばれるものが,
いくつ増えたでしょうか。
これだけをとっても,今と昔では大きく違います。

学校の役割も変化していますから……。

2.説教

いわゆる説得のための説教です。
それも長い時間,ねちねちとやられてしまったら……。

こういうとき,その先輩が説教内容の実践していたら,
もっと若手は,追い込まれた感満載になるのでしょうね。

でもこれって,
不満や不安,自信喪失しか,生み出さないってことないですか。

間違った行動をした時には,

短い言葉で,分かりやすい指導が必要

です。

そして,

どうしたら良かったのか

または,

こうした方がいい

と教えて伝えていかなくてはいけません。

これは,OJT担当教諭だけがするのではありません。
その人より,先輩だと感じた先生すべてが取り組めばいいのです。

説得よりも納得です。

そのためには,

言って伝えること。

その時には,やってみせること。

つまり,見える化すること。

そして実際に,させてみること

うまくなり始めたら,ほめること


大切にしていることです。


3.丸投げ

「次の単元の準備を学年分,しておいてね」

「君の好きなように,まとめといていいよ」

「これ,よろしく」

ひどいときには,仕事を机上に置いているだけ……

なんてことは,ないでしょうか。

どのように取り組むのか,
また,その手順などは,数度,説明をすることで,
初めて取り組むことができることがあります。

「教材研究しろって,どうするのか分からないんです!」
と言った先生もいました。

そうなんですよね。ここからスタートです。

4.押しつけ

「これは,若いもんがする仕事や。」
なんて言い渡してませんか。
押しつけの仕事ですよね。

たとえ,若手の登竜門となる仕事であっても,
何かしらの意味や価値をもたせたいですね。

つまり,
どうしてこの仕事を君に任せるのか,
ということを説明をするのです。

「この仕事を覚えることによって,

 次のあの仕事につながるのだ」

「この仕事を君がすることで,

 君のクラスがいい方向につながる」


「君に,あの仕事を任せたい。

 そのために,この仕事に取り組んで,

 覚えてほしい」

私自身,先輩に言われた仕事は,
上記のように言われたり,受け取ってきたりしました。

取り組む側の意欲が変わります。

5.自慢話

単なる自慢話。
教訓にもできないような話ってないですか。

「この仕事は,俺なら,4時間でできた」

「指導案は,集中したら30分で書ける」

と,これだけで終わってしまったら,

だから……?

と,突っ込みたくなります(笑)

このあと,そうなるためには,次のようにしたらいいんだよ。
と,具体的な手段や方法を伝えるといいのかもしれません。

ポイントは,

 短く

 わかりやすく

 見える化

これって,なかなか難しいんですけどね。

背中で見せる時代は……

この夏,ある業界に勤める友人と食事をする中で,
「背中で見せて,仕事を覚えろ!
 という時代は,終わったね。
 やりがいとか,人様に役に立っているとかで
 仕事を選ぶこともしなくなってきた。
 でも,それをあっそうかって,流していたら,
 
 この先,人は集まらない。
 魅力をいかに伝えるか,そして,
 自身のプライベートもこのように充実してる!
 と,こちらも見せて,話さないとだめだね。」
と。

また,ある学生たちと話した中で,
複数の意見をまとめてみると,
 ・仕事にやりがいがある
 ・新人教育もしっかりと行われる
 ・お給料もそこそこある
 ・プライベートも充実する
ことが理想のようです。

私は昔人間なのか,何かを叫びたくなりましたが……。

ううむ……。
ベテランチーム,
ただ,顔晴る……としか言えない結論になりました。

あんな先生になりたい

教師の仕事って,魅力ある仕事には,
間違いがないでしょう。

しかし,現場はきつい(笑)

そう簡単には,うまくいかないのが現状です。

学校の在り方が変わるのと同時に,
私たちの働き方も変えていかなくてはいけません。
単に労働時間の問題ではないのです。
仕事の内容だと考えています。

そのためには,先輩教師が,
「あんな先生になりたい!」
って思ってもらえる働き方が必要なのでしょう。

これ,決して何でもできる
スーパーティーチャーを指しているのではありません。

してはいけないことに気を配りつつも,
魅力ある先生でありたいものです。

では,保育所のお迎えに行ってきます(苦笑)


ぜひ,手に取ってやってください。
楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール
http://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-188610-3

関田 聖和(せきだ きよかず)

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。

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