最近は,異校種の連携に力を入れる自治体や学校が多くなってきています。
小中連携,保幼小連携,中高連携,高大連携など 様々なワードがインターネットの検索でも並んでいます。
今回お話しするのは,小中連携についてです。
最近では珍しくないのかもしれませんが,私自身は,もともと小学校の教諭で,異校種人事交流で中学校に昨年まで在籍していました。 そして今年,小学校に戻ってきたことで,ちょうどどちらの校種も半分ずつ経験したことになります。 なので,ハーフ&ハーフの状態です。 ですので,どちらの校種の教師としての思いや楽しさ,大変さも理解しているつもりです。 さらに現在,施設一体型の小中連携校に勤務しておりますので,毎日が小中連携です。 私の話はこれくらいにして・・・ 小中それぞれの職員室で感じたこと
最近は,小学校と中学校で話し合いの場を設けたり,小学校の児童が中学校に出向いて授業を受けたり,逆に中学校の生徒が小学校で職場体験を行うなど,様々な取り組みが行われています。 しかし,その取り組みの頻度や度合いは,バラバラで,中には1年に1回,職員が集まって話し合って終わり・・・なんて学校もあるのではないでしょうか。 前任校では,小中が近接しており,学校間で教員が授業を見合ったり協議したりする場を設けたり,管理職や教務主任同士が月1回会合を開いたりがしやすい環境にありました。 (ちなみに,私は,その同じ校区内の小と中を人事異動しました) 最初は,小学校の立場として,こんなことを感じていました。 ・なんでこんなに子ども達は力をつけたのに,中学校で伸ばしてくれないのか ・もっと中学校で一人ひとりを大切にしてほしい ・中学生が,「中学校楽しくないよ,小学校が良かった・・・」と言ってくるけど,どうにかしてほしい など,あくまで私見ですが,チョークだけの漫談のような中学校の先生の授業を見て残念に思ったり,卒業させた子ども達のちょっとした頑張りを引き続き見てほしいなど,様々な思いを感じていました。もちろん,たくさん中学校の「素晴らしさ」を感じていたからこそ,中学校への異動を希望したわけで,記事のためにマイナスな部分を書きましたので,あしからず。 さらに中学校の教諭の立場として,赴任したばかりの職員室で,僕がいるのを気にしながら,同僚の先生方からこんな声が聞こえてきました。 ・小学校で先生たちは何してたんだろう。もっと育ててきてほしいよね ・A小学校はちゃんとしてるけど,B小学校出身は・・・ ・きまりぐらい守れるようにしてほしい ・学力差が厳しいけど・・・ちゃんと指導してよ ・やり方が子どもによって違う,入試じゃ使えない
その時は複雑な気持ちだったのですが,中学校の教諭として働いていくうちに,その言葉が「実感」としてわかってくるようになりました。 小中の連携をもっと活発にし,課題を解決するには? これまで述べたように,お互いに課題であると思われることを抱えながら,なかなか建設的な議論ができていないまま,モヤモヤと連携しているのではないでしょうか。(少なくとも私はそうでした。) そこで,私はこれまでの実践で,以下のような立場で連携を行ってきました。 ・違いはあって良いものと考え,小中それぞれの良さを取り入れながら,授業,生徒指導など改善を図る。また,小中の段差はあってよいが,その階段がつながっていなければならない この視点で,次回具体的にお話ししたいと思います。 次回は・・・ さて,今回はマイナス的な発想で記事を書いてしまいましたので,「いや違う」と思われた方もいたのではないかと思います。 そう思われた方々は,きっと小中連携が上手くいっていると思いますが,この内容で講演すると,ほとんどの会場の方がうなずいて聞いて下さるので,少数ではないと感じています。 あくまで当時の思いを回想した私見ですので,ご容赦ください。 では次回,実践例をご紹介いたします。
はじめに
最近は,異校種の連携に力を入れる自治体や学校が多くなってきています。
小中連携,保幼小連携,中高連携,高大連携など 様々なワードがインターネットの検索でも並んでいます。
今回お話しするのは,小中連携についてです。
最近では珍しくないのかもしれませんが,私自身は,もともと小学校の教諭で,異校種人事交流で中学校に昨年まで在籍していました。
そして今年,小学校に戻ってきたことで,ちょうどどちらの校種も半分ずつ経験したことになります。
なので,ハーフ&ハーフの状態です。
ですので,どちらの校種の思いや楽しさ,大変さも理解しているつもりです。
さらに現在,施設一体型の小中連携校に勤務しております。
私の話はこれくらいにして・・・
小中それぞれの職員室で感じたこと
最近は,小学校と中学校で話し合いの場を設けたり,小学校の児童が中学校に出向いて授業を受けたり,逆に中学校の生徒が小学校で職場体験を行うなど,様々な取り組みが行われています。
しかし,その取り組みの頻度や度合いは,バラバラで,中には1年に1回,職員が集まって話し合って終わり・・・なんて学校もあるのではないでしょうか。
前任校では,小中が近接しており,学校間で教員が授業を見合ったり協議したりする場を設けたり,管理職や教務主任同士が月1回会合を開いたりがしやすい環境にありました。
(ちなみに,私は,その同じ校区内の小と中を人事異動しました)
最初は,小学校の立場として,こんなことを感じていました。
・なんでこんなに子ども達は力をつけたのに,中学校で伸ばしてくれないのか
・もっと中学校で一人ひとりを大切にしてほしい
・中学生が,「中学校楽しくないよ,小学校が良かった・・・」と言ってくるけど,どうにかしてほしい
など,あくまで私見ですが,チョークだけの漫談のような中学校の先生の授業を見て残念に思ったり,卒業させた子ども達のちょっとした頑張りを引き続き見てほしいなど,様々な思いを感じていました。もちろん,たくさん中学校の「素晴らしさ」を感じていたからこそ,中学校への異動を希望したわけで,記事のためにマイナスな部分を書きましたので,あしからず。
さらに中学校の教諭の立場として,赴任したばかりの職員室で,僕がいるのを気にしながら,同僚の先生方からこんな声が聞こえてきました。
・小学校で先生たちは何してたんだろう。もっと育ててきてほしいよね
・A小学校はちゃんとしてるけど,B小学校出身は・・・
・きまりぐらい守れるようにしてほしい
・学力差が厳しいけど・・・ちゃんと指導してよ
・やり方が子どもによって違う,入試じゃ使えない
その時は複雑な気持ちだったのですが,中学校の教諭として働いていくうちに,その言葉が「実感」としてわかってくるようになりました。
小中の連携をもっと活発にし,課題を解決するには?
これまで述べたように,お互いに課題であると思われることを抱えながら,なかなか建設的な議論ができていないまま,モヤモヤと連携しているのではないでしょうか。(少なくとも私はそうでした。)
そこで,私はこれまでの実践で,以下のような立場で連携を行ってきました。
・違いはあって良いものと考え,小中それぞれの良さを取り入れながら,授業,生徒指導など改善を図る
・そもそも,小中の段差はあってよいが,その階段がつながっていなければならない
この視点で,次回具体的にお話ししたいと思います。
次回は・・・
さて,今回はマイナス的な発想で記事を書いてしまいましたので,「いや違う」と思われた方もいたのではないかと思います。
そう思われた方々は,きっと小中連携が上手くいっていると思いますが,この内容で講演すると,ほとんどの会場の方がうなずいて聞いて下さるので,少数ではないと感じています。
あくまで当時の思いを回想した私見ですので,ご容赦ください。
では次回,実践例をご紹介いたします。

今林 義勝(いまはやし よしかつ)
福岡市立千早西小学校 教頭 今林義勝
小中人事交流での小学校と中学校の両方の経験を活かし、9年間を見通した教育活動を行っています。また、「活用型問題解決による理科」の実践研究が現在のテーマです。
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