2022.07.11
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

『SDGsと防災教育 持続可能な社会をつくるための自然理解』

長年防災教育に携わってきた著者が、自然と人間とのかかわりをSDGsの観点から見つめなおし、防災教育を通して持続可能な社会をつくっていくために必要な自然への理解をまとめた本です。美しい景観を作り上げる自然現象が人に被害をもたらすことで自然災害になる、という自然の二面性についてビジュアルに解説されています。

藤岡先生より

SDGsの観点から防災教育を見直す

自然と人間との関わり、人間と人間(社会)とのつながりは、科学技術や社会システムが発達すればするほど、重要になってきます。持続可能な(本来ならば持続発展可能な)社会の構築には、改めてこれらのつながり、関わりを理解した一人一人の認識、行動が欠かせません。

日常では人間に様々な恵みを与えることが多い自然現象が災害になるのはどのようなメカニズムによってでしょうか。災害から「誰一人取り残さない」ためには、どのような姿勢で自然環境や国際社会と向き合っていけば良いのでしょうか。自然の恩恵と災害が多い日本列島から世界への発信も踏まえて、グローカル(グローバルとローカルを合わせた言葉)な視点から、本書と共に考えていきましょう。

目次

はじめに

第1章 SDGsを踏まえた防災・減災
第1節 持続可能な社会と防災教育
1 ESD・SDGsと自然災害
2 国際的な防災・減災
3 防災・減災とレジリエンス
第2節 防災・減災に関する教育や活動の重要性
1 地域の過去を知ることの大切さ
2 移動の著しい時代における各地域の災害理解
3 各地域における新たな結び付き
4 防災から様々な危機管理への応用
5 災害が多発する時代の「生きる力」の育成
6 自然環境、科学技術が持つ二面性の理解
7 様々な支援の在り方

第2章 自然災害・複合災害の基礎知識――SDGsを進めるために
第1節 災害とは何か、恵みと共に考える
1 自然災害、事故災害、それらの種類
2 自然現象と人間活動との関係
3 自然災害とは異なった自然現象の恩恵
第2節 災害発生のメカニズム――自然現象が自然災害となる時
1 地震・津波の原因
2 噴火し続ける火山列島
3 短期間の予測可能な気象災害
4 日本の四季の特色
5 土砂災害
第3節 原子力発電とエネルギー問題
1 複合災害としての原子力発電所事故災害
2 SDGsと日本のエネルギー事情

第3章 災害への備えと予測
第1節 自然災害は予測できるのか
1 地震・津波、噴火の情報と予測判断
2 天才か人災か;自然災害をめぐる訴訟から
第2節 災害情報の取得と活用
1 気象情報・災害情報
2 危機への対応と教育の重要性
第3節 身を守るための日常の備え
1 家庭で生きる学校での避難訓練
2 応急手当とAEDの必要性
3 日常の整理・整頓
4 日常の事故防止が災害時に活きる
5 ユニバーサルデザインとハンディキャップを持った人たちへの配慮
6 ほかの地域の教訓から学ぶ
第4節 組織的な防災・減災
1 国全体としての取り組み
2 様々なレベルでの組織活動
3 防災キャンプ・登山の体験と防災訓練

第4章 自然環境理解と持続可能な社会の構築
第1節 自然の恩恵と災害
1 野外活動、自然体験・景観から災害・防災を学ぶ
2 山の自然に親しむ
3 海・河川・湖などの恵み
第2節 自然環境理解からSDGsまで
1 国立公園、ジオパークでの自然の二面性の学び
2 子供たちによる災害支援「環境・観光・防災」
3 豊かな国を目指して

おわりに

『SDGsと防災教育 持続可能な社会をつくるための自然理解』

著 :藤岡 達也
定価:2,200円(税込)
発行:大修館書店
仕様:A5・208ページ

文・画像提供:大修館書店

※当記事のすべてのコンテンツ(文・画像等)の無断使用を禁じます。

pagetop