2008.03.03
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尊敬する2人の先輩(1)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

 「体育主任は先生達に謝ってなんぼ仕事だよ。」
私の尊敬するU先生が私にかけてくれた1言です。今、私には心の支えにしている2人の先輩がいます。今回はその1人U先生のことを書きたいと思います。

U先生はさいたま市(旧大宮市)の算数科教育に力を入れている方で、様々な研究会の運営や学校の算数授業の指導助言なども行っています。U先生と私とは5年前に前任校で一緒に6年生の担任を務めた仲で、その時の学校課題研究(算数科)の仕事でもお世話になりました。研究主任のU先生の片腕となり算数備品の整理や算数コーナーの設置などの仕事をしてきました。

U先生はいつも私を励まし心の支えになってくれました。ある時、校庭の整地をしていると、忙しい仕事を後回しにして私を手伝いに来てくれました。また、体育主任として運動会の運営がなかなかうまくいかなくなったときにも気を遣って声をかけてくれました。

現在、鈴谷小学校で研究主任を務めている私は、U先生の研究の仕方をお手本にしています。U先生のように研究授業を楽しく行い、先生達が元気になるような学校課題研究をめざしてきました。

これまで2年間がんばってきましたが、研究もなかなか思うようには進みませんでした。学校の先生方には研究に積極的な方もいれば消極的な方もいます。できれば研究などやらないでいたいと思われる先生の方が全体の中で多くいらっしゃるのが現状です。それはどこの学校でも同じなのではないかということをこれまでの9年間の教員経験から感じます。だからこそ、研究主任は先生達が夢中になれるような研究を工夫する必要があるということが私のモットーでした。

今年度はそのために、鈴谷小で重点的に取り組んでいるなわとびのお手本にと、なわとびのプロ集団「縄☆レンジャー」を学校に招きました。また、授業研究もあまり気負わずにできるようにと、私のモデル授業(バスケットボール)も行いました。それらの取り組みから先生方が研究に積極的に取り組んでいく素地づくりになったのではないかと思いました。

しかしながら、先日の学校課題研究のまとめの会で若い先生から「本校の研究はどの方向に向かっているか分からない」と批判されてしまいました。また、職員の学校アンケートにも「研究の方向に疑問を感じる」と若い先生が意見を書いていました。先生方のためにと思ってやってきたことが裏腹な結果となりとてもショックでした。

そんな時、U先生の1言を思い出しました。
「苦労分かるだろ!」
私が以前、研究主任としての悩みを打ち明けたときにかけてもらった1言です。きっと「俺も同じような苦労をしたんだからお前もがんばれ。お前ならできる。」という気持ちで言ってくれたんだと思います。この言葉をもう一度思い出し、また1から出直したいと思います。来年度は私も教職10年目になります。もう1度自分を見直し、さらに努力をしていきたいと思います。

『先生達が本当に夢中になれる学校課題研究をめざして!』


写真は現在行っているサッカー授業の様子です。
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菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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