北海道・東北地方の学校は,もう2学期がスタートしているのかもしれません。
こちらも,いよいよ2学期に向けての本格的な準備がスタートし始めます。
2学期の準備としてやっておきたいこと(やってきたこと)をリストアップします。
1 そうじ
まずは,教室の掃除です。黒板や棚も美しく整えておきましょう。
靴箱や電灯,窓……。もしかすると,びっくりするものが,
お亡くなりになっているかもしれません……。
そうじをしながら,子どもたちの顔が浮かんでくることでしょう。
あの子は,どうしているのかな。
2学期は,これをいっしょに取り組みたいな。
などと想像すると,自身の高まる気持ちも湧いてくることでしょう。
そうじで忘れちゃいけないのが,
子どもたちの教室までの導線
です。1階の玄関,階段,渡り廊下……。
大きな学校だったら,分担してもいいでしょう。
2 配布物の確認
2学期スタートには,教科書の下巻を配布することでしょう。
さてどのように配布しますか。
私は,空白の時間,つまり,教師がいないので見ていられない時間になる,
子どもたちにとって自由となってしまう時間は,避けたいので,
教室内へ運んでおきます。もちろん,管理は怠らず……。
その他,学校だより,学年だより,給食だより,保健だより,学級通信も
あることでしょう。もし,夏休み後半に出そろい,余裕があるのなら,
ホッチキスで綴じてしまうことも,一計です。時短になるからです。
貴重な初日ですもんね。
ドリルなどの副教材は,初日でなくても大丈夫なので,配布しなくてもいいでしょう。
私は,時短術として,夏休みの間に,色分けをしてしまいます。
3 メッセージ
ぜひ板書に2学期のメッセージを書きましょう。
最近では,黒板アートも流行しているとか……。
私は,とっても絵を描くのが下手なのです。
でもICT機器を活用して……(苦笑)
1.描きたい絵をプロジェクターで,黒板に投影
2.映った画をチョークでなぞって描いちゃう
これは,やっちゃえ!(NIS……ではなく,) 黒板アート!(笑)
でも,普段の授業からなのか,
「絵のうまい先生に頼んだんやろう!」
と,私は,子どもたちから言われていましたが……(涙)
また,メッセージだけでなく,久しぶりの学校なので,見通しをもたせるために,
1日の流れ(時程)を示しておく
とスムーズに流れるかもしれません。
自身の「うっかり忘れてた!」ということも,防ぐことができます。
4 提出物の回収方法
図画や自由研究などは,コンクールへの出展もあることでしょう。
回収の方法を決めておくといいかもしれません。
これは,学年の先生方と相談をしながら,効率的に行いたいものです。
私は,
・ノート系,プリント系は,教室内の台上
・絵画,書画,工作,自由研究などは,廊下に用意した台や別の部屋
に置くようにしたこともあります。ただ,低学年でこれをすると,
整然と集めることができない場合があるので,子どもたちよりも早めに
教室にいるとよいでしょう。または,
「先生といっしょにするから,まだ持っていてね。」
と伝え,始業式後に集めることも,いいですね。
もちろん,簡単なほめ言葉を伝えながら……。
あゆみは,教室机にしていました。最近は,渡しきりの学校もあるようですね。
すぐに確認し,早めに保管場所へ置きたいですね。
5 課題を忘れた子ども
これは,悩ましいですね。小学校低学年になると,ほとんどの場合が,
本人の意思でないことがあります。ある意味,何かしらのサインを
発しているので,2学期は,ちょっと気を配りたい子どもになります。
もしかすると,忘れるんじゃないのかなあと
思われる子どもには,夏休み中に,
「様子を見に来たよ。」
と声をかけることもいいですね。
やりきってきたら,2学期スタートに褒めることができます。
課題忘れに対しては,どうするのかということは,学年や学校で
統一しているといいでしょう。
個人的には,忘れた理由を確認しつつ,何が何でもやれ!というのは,
どうかなと考えています。
6 行事に向けて,7割から8割の準備
これは言わずもがな……ですね。そうでないと間に合わないものもありますから。
選曲から流れ……。
よさこいソーラン,エイサーなどに取り組むのなら,踊れないと……ですね。
7 各教科1~2単元分の素材・教材研究,学習計画立案
夏の研修が忙しくて……という場合であっても,
教科書,副教材に目を通し,それぞれの単元での
付けたい力を明確に
しておきましょう。
学校によっては,年度当初に計画されている場合もあるでしょう。
しかし,目の前の子どもたちの実態から,どのように取り組んでいくのかは,
考えておかないといけないでしょう。
もちろん,学年内での分担もありでしょう。
でも,必ず教科書には,目を通しておきましょう。
きっと2学期に,慌てることは少なくなるはずですから。
社会では,
見学先の下見や交渉
理科では,
予備実験をしておくこと
も,いいですね。
8 座席表の用意
2学期スタートの座席です。様々なことを配慮しながらの座席決定も,
いつもよりは,時間をかけられるのかもしれません。しかしこれには,注意が……。
夏休み明けにやってきた子どもたちの観察が必須です。
約40日近くですから,何かしらの変化が見られるはずです。
プラスの変化,つまり伸びている子どもは,いいのですが,
その逆。マイナスへ向かっていると感じられた場合は,席替えは,
1日置いて,再考した方がいいときがあります。
9 背面掲示の構想
教室の背面掲示をどうするかを考えておきます。
多くの学校は,2学期スタートの一週間前後に,
授業参観があるのではないでしょうか。
夏休みの宿題で埋め尽くすのであれば,そのスペースをつくります。
わたしは,夏休みに2通の葉書を送ります。
その1通目に,ラッキーな文字!として,子どもたちへ送ります。
その文字をつなげると,めあてとなるようにしておいて,
初日に,何だったのかをみんなで確認しあいます。
それを高学年なら,習字で。低学年なら,中抜き文字を
用意して掲示しています。
こちらも,アクセスしていただけると,幸いです。
10 夏休みの宿題の添削法
9月スタートは,学級づくりの上で大切な時期ですので,
できる限り時間をうまく使いたい。
名札の用意,発表会の手順などを作っておきます。
こちらもアクセスしていただけると幸いです。
2学期 GO!
2学期スタートの前にやっておきたい(やってきた)10のこと。
もちろん,これらの他にも研究授業の準備などがあることでしょう。
また,10も要らない先生もおられるでしょう。
うまく活用していただければ,幸いです。
ありがとうございます! 手にとってもらっています!
あと2冊となっているみたいです……。
![](/mt7/mt-static/support/assets_c/userpics/userpic-151-100x100.png)
関田 聖和(せきだ きよかず)
兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。
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