2016.08.03
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それって,学級崩壊かもしれない20のこと(後編)

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV) 関田 聖和

 夏休みいかがお過ごしですか。土曜日,日曜日は,休めていますか。

この記事が公開されるのは,私にとって夏休み7日目(涙)

前回記事の続きです。

それって,学級崩壊かもしれない20のこと(前編)

 

 

11.子どもが教室や教具などを粗雑に扱う,または,物投げたり,壊したりする

 物を大切に扱えない不器用さのことではありません。

お試し行動の場合もあります。物だけでなく,

そういった行動を取っているその子ども自身も大切にしていません。

これは,いい意味での「先生,話を聞いてくれ」サインでもあります。

 でも直接的に対応するのではなく,そうっと,寄り添うように

声をかけたいですね。 

 

 

12.授業に必要なものをわざと持ってこない,忘れ物をしても平気でいる

 不注意やワーキングメモリーに課題のある子どもは別です。その特性ならば,

そうっとフォローしてあげたいですね。

 でもそうではなく,以前はできていたのにある日突然……。

 こういうときは,1人だけでスタートしてると思いきや,複数いるはずです。

このレベルが上がると,示し合わせてするようになります。

 こうする前に,何かサインを出すので,見逃したくないですね。

その学年なりの関わり方をして欲しいのでしょう。絶対,頭ごなしに

怒鳴るような指導は,NGです。また,

「持ってないんならしなくていい!」 

なんて言っちゃうと,

物がない → やらなくていい →好きに遊ぼう

などと誤学習してしまうので,要注意です。

 

 

13.授業中,子どもたち同士で,目配せをしている

  この時点で,もう崩壊しているかもしれません。

これは,いじめも始まっているかもしれません。

気づいていないふりをして,何かを探ることも大切でしょう。

でも早く何かしらのアクションを起こさないと,

だんだん行動が大胆になってくるでしょう。

 

 

14.ガラスが頻繁に割れる

 これは,生徒指導の研修会などでよく言われることです。

もちろん,割れたガラスは,管理職にすぐ伝えて,早急に復旧することが

大切です。有名なブロークンウィンドウ理論ですね。次々と破壊されていきます。

その結果,子どもたちの心も荒んでいきます……。

 

 

15.先生や子どもが何かをしようと言えば,反対意見が複数上がる

  ここまで来るともはや,先生がスーパーサイヤ人ブルーまで変身するか,

ギア3(サード)からギア4(フォース)に変身するように,劇的な変化を遂げないと,

改善しないのかもしれません。

 「仰げば尊し」の樋熊先生のように,じっと待ちながらも,ヒットアンドウェイで,

ここぞ!というところで,子どもの心を1人ずつつかんでいくしかありません。 

改善のためには,先生自身も何かになりきる,変身しないとダメなのです。

 

 

16.正義・正論が通じず,子どもたちの間で,悪いことに対しての注意がない

  子どもたちの中で,数名が先生の味方をしてくれると,集団がよくなります。

先生の注意よりも,子どもたち同士の方が,いいことが多いです。でも,

その子ども同士の関係がくずれてしまっては,しんどいですね。

時には,いっしょに悪いことをして,何が悪くて,どうした方がいいのかを

肌で体感させないと伝わらないのかもしれません。

 

 

17.子どもたちが,教師の悪口を言っている

 これは,もしかすると初期段階かもしれません。

内容に寄ります。大抵まずは,呼び捨てから入ります。

「Aくんたち,先生のこと,呼び捨てしとったで。」

そういう声が聞こえてきたら,アンテナをさらに高くしないと行けません。 

 そう言うことで,仲間意識を感じたり,強がってみたりする心が大きくなります。

大きくなりすぎると,小さくするには,時間と労力がかかってきます。

 自分たちにとって,不都合なことを感じたのでしょう。それは,正論かもしれません。

でも,何かしらのしんどさを感じる子どもたちは,正論が一番きついのです。

 

 

18.先生の指示に対して,子どもが,素直に従わなかったり,無視したりする

 この原因は,先生に起因するところが大きいことがあります。

ずばり指導のブレです。

この間まで,OKだったのに,今日はダメ。

ダメだったと思ったら,OKだった……。みたいな,指導のブレを頻繁に感じ出すと,

黄色信号。

 これは,聞かなくなって当然でしょう。信頼感も失ってしまうので,

一度言ったことは,よほどのことがない限り,貫きたいですね。

変更する場合は,学級で話し合い,明文化するといいでしょうね。

 

 

19.子どもたちが,殴り合いのけんかを先生の前でする

  大人のみていないところのけんかとは少し違います。

先生の目の前でするというのは,いろいろな心理状態が働いています。

もちろんこれも,衝動性や多動性が高い子どものことではありません。

目の前でみている先生が,けんかになる前に解決してくれないなどの

不信感を子どもがもっていると,起こってしまうでしょう。

 またけんかをどう止めるのかをみるために,友だちにけんかさせると言った子どもを

担任したことがあります。

 双方,怪我のないようにとめ,コミック会話などの手法を用いて,

解決にあたりたいものです。

 

 

20.子どもたちに注意をしても,聞き流されたり,反抗したりする

 もはや信頼感ゼロです。

男の子:ぼくたち!

女の子:わたしたちは!

男の子:先生の言うことを 一切 聞きません!

全員:聞きません!

なんて,呼びかけをされてしまっているようなもの。

 複数の子どもたちがこのような状態である場合は,一人ずつ心をほぐすような

ほっとすることを取り入れ,リラックスムードを体感させたいですね。

これは,担任の先生ではない大人が設定し,リラックスさせつつも,

不満を聞いてあげることが必要でしょう。 

 

 

子どもたちの笑顔を想像する

  ほとんどの学校が9月からでしょうか。私も夏休みらしい夏休みは,

取れなさそうですが,どこかの隙間の時間に,

ふうっと,子どもたちの笑顔を想像してみましょう。

思い出すぞ!なんて力まずに,ふうっとです。

 その時の子どもたちの周囲には何がありますか。

どんなところで笑っていますか。

何をして笑っていますか。

 そして次は,先生方が笑顔になりましょう。

笑顔ができない大人もいます。鏡の前で自分の顔を見ながらの

トレーニングもありでしょう。

 前回と合わせた20項目……。当てはまりませんように……。

 

ぜひ夏の研修の1冊に,買って下さい! 

  明治図書 楽しく学んで国語力アップ! 「楽習」授業ネタ&ツール

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共に学びませんか。

 第3回 通常学級の中の特別支援教育について考えるセミナー ~インクルーシブについて考える~

 

関田 聖和(せきだ きよかず)

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。

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