2015.07.29
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『研究主任として出直し』

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

 
(写真はこれから研究として進めたいNIEの写真です。)

  現在の勤務校に異動してくるまでの9年間、主に「研究主任」という役割をいただいていました。研究主任は教育委員会から受けた研究委嘱に関する仕事や、学校課題として挙がっている内容の研究に関する仕事をします。これまでに勤務校で、子どもの体力向上に関する体育指導の研究や国語科の表現力に関する研究、そして特別支援や食育、NIE(新聞活用)の研究などを主に行ってきました。

 

 研究主任として最初に考えたことは、「職場の先生たちが充実感を感じながら進めることができ、子どもたちの指導のためになる研究をしよう」ということでした。自分なりに先生方の意見を取り入れながら研究を進めてきました。先生方が自信を持って研究に取り組めるように外部講師を招聘したり、先生方の研究の参考にと資料をたくさん出したりもしました。私自身も積極的に、モデル授業や研究発表会の授業を引き受け、何とか研究を盛り上げていこうとしてきました。

 

 しかし、毎年研究に関する先生方のアンケートをお願いすると、

「研究がみんなのものになっていない」

「研究の進め方に違和感を感じる」

など、否定的なことが多くありました。私なりに改善をしていこうと取り組んできたのですが、あまりうまくいかなかったという印象です。

 

 今でも時々思い出しますが、研究推進メンバーで話し合いをしているときに、教員2年目の先生から、「こんなのは研究とは言わない」と言われてしまったことがあります。このときには、恥ずかしいやら自分が情けないやらで、本当にどうしてよいか分からなくなりました。

 

 今年度学校を変わり、久しぶりに研究主任の役からはずれました。現在の学校は2年に一度研究発表会を行っており、私も参加したことがありました。先生方も子どもたちも生き生きと取り組んでおり、どのようにしたらこのようなよい研究ができるのだろうか知りたいと思っていました。今の学校に赴任してその秘密が少しずつ分かってきました。それは以下の通りです。

 

(1)研究主任は調整役で副主任(パート長)が主に動いている。

 これまで、私は研究を進めていくときに資料作りなどをほとんど一人で行っていました。自分としては先生方のためにやっているつもりでも、それが先生たちと研究内容を遠ざけてしまっていたのではないかと感じました。また、副主任(パート長)にはいつも若い先生になっていただいていました。しかし、現在の学校では、私と同じぐらいの経験の方で、学校の中核になっている方が副主任を務め、具体的な内容の提案などはその方がやっています。主任の方は指導者との調整等が主な役割になっています。このように、主任が何でもやるというのではなく、チームで取り組むようにすることが大切だと感じました。

 

(2)児童の委員会活動を生かし、児童も一緒になって取り組んでいる。

 勤務校の研究内容は特別活動の話し合いと環境教育です。その環境教育に関して、児童の委員会活動を活用して、すべての委員会で環境に関わる内容の活動を行っています。このようにすることで、職員全体で環境教育を意識することができます。また、児童も活動することで、学校全体で取り組んでいる研究になります。私の場合、これまでは研究は職員だけが行うものであると考えていたような気がします。

 

(3)取り組む内容を絞っている。

 前任校では教育委員会の研究委嘱がたくさんあり、NIEと食育、特別支援教育、英語活動と一気に4つの内容を研究することになったことがあります。本当はNIEについて全職員で研究を進めたかったのですが、どうしても分担しなければ成らず、一番重点を置きたかったNIEは私一人しかやらないという形になってしまいました。現在の勤務校では、特別活動の話し合いをメインにしています。どのクラスでも話し合い活動を行うので、全職員が共通に研究を進めることができます。

 

 おそらく、これからも研究の進め方についてヒントにたくさん気づいてくると思います。今年度もう一度勉強をし直し、もう一度いつか研究主任の役をいただき、学校の研究活動を中心となって進めていきたいと考えています。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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