2015.08.14
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「特性支援教育」で「専手必笑」

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV) 関田 聖和

 夏休みもカウントダウン……(涙)

ちょっぴりそんな気分になってきました。

 さて,2015年7月25日は,岡山市で。7月31日は,川西市で,

通常の学級における特別支援教育についてお話をさせていただく

機会をいただきました。

 少しだけ紹介をします。

 

 

特別支援教育との出合い

 ある年,学級担任を外れました。人生初でした。

その年の校内研修で,ある指導主事と出会いました。

 その指導主事は,学級を5分ほど見られて,次の教室へ……。

放課後,講話がありました。

「この子は,こんなことで困っていますよね。」

「お母さんとは……」

と,次々と言い当てていくのです……。

私は,

「たった数分見ただけで,何でこんなに,分かるんですか。」

と聞きました。すると,その指導主事は,

「分からないと言われることが,分からない。子どもたちが伝えてますよ。」

と言われました。

 「どうやったら先生みたいに,子どもが発している見えないものを分かるように

  なるんですか。」

と,問いました。すると, 

「特別支援教育を勉強してごらん。嫌でも見えてくるよ。」

と言われ,市内の研究グループに所属したのでした。

 

 

ある若手教員からの相談

 ある会で,若手教員から,ある子どもへの対応が分からなくて悩んでいるという話がありました。

当時はまだ,

「特別支援教育は,単なる子どもたちへのレッテル貼りだ。

 

   意識しなくてもいい。わたしには,関係が無い。」

 

 

と,学級・授業づくりのセミナーで,声高らかに話をされている時代です。その若手教員も,

「俺の時は,そんなことは,なかった。舐められてるんじゃないのか。」

と同僚に言われ,結果的に,怒鳴ったり怒ったりする指導でクラスを落ち着かせたのです。

 

 

怒鳴って落ち着かせる指導は,敗北 

 その若手の前年度は,体格も良く,学校一恐いと,子どもたちから恐れられている教師が

担任をしていたそうです。4月の数日間は,OK。しかし,5月に入ると,荒れ始めたそうです。

「そんなときには,怒鳴って一喝すればいいんだ。」

という言葉を真に受けて……。子どもたちに厳しい声で,力で押さえてしまったのです。

 わたしは,教師の都合で,怒鳴って落ち着かせる指導は敗北だと考えています。

子どもが荒れる原因は,何かあります。子どもの言動には,全て意味があるからです。

 ※子どもの言動は,理由がある

 http://www.manabinoba.com/index.cfm/8,19528,21,177,html

結果,2学期に荒れてしまい,複数対応になって乗り切ったそうです。

 

 

怒鳴ったらダメなわけではない

 もちろん,怒鳴ったらダメなわけではありません。

静かにさせたい,立ち歩いているのをやめさせたいなど,教師側が次のことをしたいときに,

静止させたいときに,怒鳴ってしまうのではないでしょうか。しかし,以下のことは別です。

怒鳴ってやめさせなければなりません。

・命に関わること

・人権,いじめに関係すること

・3回同じことを言っても,改めないとき

です。

 これについては,理由を書かなくてもお分かりだと思います。

 

 

「特性支援教育」で「専手必笑」

 だからこそ,子どもの言動がみえるように,修業を積んでいます。

スマートフォンで,特別支援教育と入力しようとしたとき,

「と」を選ぶと,一番に「特性」が出てきました。

あっ,そうそうこれがいい!

 特別支援教育と聞くと,何だか,特別なことで教科専門の自分とは関係が無い。

と思ってしまうのではないでしょうか。(最近は少なくなってきました)

 でも,どの人ももっている「特性」を支援し教育をしていく,つまり,

 

「特性支援教育」となれば,違和感が無く,なんかすとんと腑に落ちてきます。

そして,教師の専門性を活かして,笑顔で育てる教育を目指して,「専手必笑」の

手立てを取っていくのです。

 「特性支援教育」。いい言葉だと思うので,これからどんどん使っていきます(笑)

 

「専手必笑(せんてひっしょう)」

http://www.manabinoba.com/index.cfm/8,22102,21,177,html

 

  残りの夏休みも,たさくんの出会いを楽しみにしつつ,

「ぱわぁあっぷ」していきます!

 

 

    共に学び,お会いしましょう!

2015年10月17日(土)  ……神戸開催 講師 野口芳宏先生・横山験也先生


2015年12月26日(土)  ……神戸開催 講師 菊池省三先生

関田 聖和(せきだ きよかず)

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。

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