2015.03.20
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『モデルの提示』

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

 通常学級において特別に支援を要する児童が多く在籍している場合に、授業をしていて、指導をしにくいと感じることが多くあります。その中でも、特に児童が自分の考えを話したり、友達が発表を聞いたりという活動があまりうまくいかないことが多いように思います。

 

   例えば、算数の授業で、ある問題に対して自分がどのようなやり方で考えたかということを友達に説明する際に、自分が話したいことがはっきりせずに、途中で何を話しているのかわからなくなっていたりしていることがあります。また、聞いている児童は発表がわかりづらいために、飽きてしまっておしゃべりをはじめてしまったりすることがあります。現在はどの教科・領域の授業においても友達同士の交流が重要視されており、友達との学び合いや伝え合いを行う活動は必須の事項になっています。児童たちには自分の考えをきちんと話せるようにし、そして人の話をしっかりと聞けるように指導をしていく必要があります。

 

   そこで、実践したのが「発表の仕方」についてのモデルの提示です。学校で算数科を中心に研究をしていたこともあり、算数科で自分の考えを発表するモデルを児童に示し、そのモデルに従って話をするようにさせました。モデルは以下のものです。

 

「わたしは・・・の方法で考えました。

まず、・・・。

つぎに・・・。

それから・・・。

だから答えは○○になります。質問はありますか?」

 

   このように具体的なモデルを示すことで、児童が何をどのように話せばよいかがわかり、自信をもって発表できるようになってきました。また、発表を聞いている児童もモデルがあるので、そのモデルに従って先を予想しながら話を聞くことができるようになり、集中度も高まりました。

 

   「守破離」という言葉があります。「守」は教えを忠実に守ること、「破」は教えを超えていくこと、そして「離」は自分のオリジナリティーを出していくことと教わったことがあります。特別に支援が必要とされる児童にはこの「守」になる部分をしっかりと指導していく必要があるということがよくわかりました。また、この部分をしっかりと指導することは、その他の児童にとっても授業に参加しやすくなるための大切な工夫であると思います。

 

   これからはさらに、国語科の発表の仕方なども検討していきたいと思います。そして、児童が積極的に自分の考えを発表し、豊かな学び合いができるようにしていきたいと考えています。

 

(写真は算数で自分の考えを発表するためのモデルです。)

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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