今期のつれづれ日誌では、「学級の教科書」を活用したクラス作りについて紹介をしています。今回は自分の性格を知る「エゴグラム」の活用について紹介したいと思います。
エゴグラムは自分の性格を知ることができるツールです。人の5つの性格である、きびしさ・やさしさ・大人性・子ども性・素直さについて、自分はどのようなバランスになっているかということが分かります。そして、その結果をもとに、なりたい自分について考えることができます。
私自身も研修会でこのエゴグラムを行って見たことがあります。私の場合は、やさしさの数値が高く、反対にきびしさや子どもさが低い結果でした。もう少しきびしさや子ども性をアップさせるために、宿題の提出を厳しく指導するようにしたり、休み時間には一緒に子どもたちと遊ぶようにしたりもしました。現在、自分を客観的に捉える「メタ意識」が必要であると言われています。エゴグラムはそのような能力を高めることができるツールであると考えています。
そこで、「学級の教科書」にもエゴグラムを取り入れています。毎学期最初にエゴグラムに取り組ませ、自分について知る活動を行っています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
エゴグラム(なりたい自分になろう)
自分はどんな性格なのかなあ・・・そんなことを考えたことがありますか?自分のよいところ、そしてもっとのばしたいことが分かるといいですよね。1学期に1回性格けんさをしてみましょう。これはみんなちがってみんないいものです。今の自分を見つめていきましょう。自分を知ることで友だちのことも分かるようになりますよ。
[人の5つの性格]
(1)きびしさ
・自分の考えに自信をもっている。友だちをしたがわせようとする心。
・心が強くて、最後までやりきる心。
(2)やさしさ
・友だちをはげましたり、親切にしたりする心。
・友だちをほめたりする心。
(3)大人さ
・ものごとをれいせいに見る大人の心。
・事実を見てどんなことが分かるかを考える心。
(4)子どもさ
・自由でのびのびした心。
・積極的に行動する心。
(5)すなおさ
・自分をおさえて協力する心。
・すなおに人の話を聞く心。
さあ、みなさんはどの心が一番高いかな?
(『菊池学級教科書』26年度版より)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このエゴグラムを行うことで、子どもたちが自分自身を知り、どんな自分になりたいか、そしてそのためにどんな行動をとるかということを具体的に考えることができます。これからも活用していきたいと思います。
今期の「つれづれ日誌」では学級の教科書について紹介させていただきました。これからも学級の教科書を活用してよりよい指導を目指していきたいと考えています。

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
同じテーマの執筆者
-
兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
-
京都教育大学附属桃山小学校 教諭
-
大阪府公立小学校 主幹教諭・大阪府小学校国語科教育研究会 研究部長
-
戸田市立戸田第二小学校 教諭・日本授業UD学会埼玉支部代表
-
小平市立小平第五中学校 主幹教諭
-
西宮市教育委員会 勤務
-
明石市立高丘西小学校 教諭
-
木更津市立鎌足小学校
-
東京学芸大学附属大泉小学校 教諭
-
愛知県公立中学校勤務
-
大阪大谷大学 教育学部 教授
-
神奈川県公立小学校勤務
-
寝屋川市立小学校
-
明石市立鳥羽小学校 教諭
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)
「教育エッセイ」の最新記事
