今回の連載では学級づくりについての指導を紹介しています。今回は一人一役の役割分担について紹介したいと思います。
どの学級でも生活班を編制して日々の学校生活を送っていると思います。私の学級でも給食や掃除などの活動を生活班単位で行っています。時には授業での話し合い活動もこの生活班を活用して行うこともあります。生活班は児童が所属する最小単位の集団ともなりますので、この生活班を生かして児童一人一人が活躍する場を設けたいと考えています。
私の学級では4人で生活班を編成するようにしています。一人一人の役割分担として、「班長」「給食リーダー」「配りリーダー」「そうじリーダー」を分担するようにしています。一人一人が何かしらのリーダーになることで、児童に生活班への所属感が生まれます。そして、役割を果たすことで責任感も育成することができます。また、教師側も指導する際の指標になり、例えば給食の片付けなどに課題がある際には、給食リーダーに指導を行うようにするというように迷いやブレが無くなります。そして、何よりも児童をほめる材料になります。1日に必ず1回は必ず全員の児童をほめる材料が見つかります。
児童には学級の決まりなどを書いた「学級の教科書」において、以下のように生活班の意味づけを行っています。
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<生活班について>
生活班の活動はなぜするのでしょう。先生はこう考えます。まず学校生活をしていくために必要だからです。みんなで生活するとやらなければならないことがたくさん出てきます。それをするのです。もう1つは、係や班の仕事を受け持つことでみんなが「クラスの一員だぞ」という思いをもつためです。一昨年甲子園で活躍した埼玉西武の菊池雄星投手は高校時代に野球部でトイレ掃除をしていたそうです。きちんと仕事をすることで気持ちよく生活ができるようになるんですね。
【班活動】
☆班長(班の代表・話し合いの司会など)
☆給食リーダー(配膳・片付け確認)
☆配りリーダー(プリントなどの配り)
☆そうじリーダー(そうじのせきにん者、反省会の司会・カードを書く)
(『菊池学級教科書』26年度版より)
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このように、生活班を通じて、児童一人一人が活躍できる場を作っていくことが大切だと考えています。今後もこの生活班を活用して、様々な活動をしていきたいと考えています。

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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