今年度の「つれづれ日誌」では新年度の学級づくりについて紹介をしています。今回はその中で「整理整頓・掃除」の指導について紹介したいと思います。
移動教室の際や児童の下校後に机がばらばらになっていることがあります、また、下駄箱で上履きがきちんと入っていなかったりそろっていなかったりすることがあります。小さなことではありますが、このような乱れが児童の生活の乱れにつながってくるという経験をこれまで多くしてきました。そして、日々の掃除がしっかりとできずに教室などが汚れた状態でいることもクラス作りにマイナスの影響を与えます。
そこで年度当初に「そろえる」指導や掃除の指導をきちんとしていかなければならないと考えました。また、指導の中で、どうして机や上履きをそろえなければならないのか、どうして掃除をしなければならないのかという意味づけ指導をするようにします。以前のエッセイで紹介した「学級の教科書」を活用して以下のような指導を行いました。
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<掃除や整理整頓をする理由>
□学校とこころのよごれを取るためです。(よごれているとこころもよごれます。)
□自分がやったんだ!というたっせいかんをもつためです。(一人ひとりが自分の役割をきちんと果たしていきます。)*うわばきそろえ・持ち物の整とんにも取り組もう!
<先生メモ>
こう言っている先生も整とんが苦手でした。小学生の時に「せいとん」はいつもCでした。先生になってもしばらくは整とんがなかなかできませんでした。でも、整とんを心がけるようになったら、これまでよりも気持ちよく、スピーディーに仕事ができるようになりました。身のまわりを整えることは大切ですね。
(『菊池学級教科書』26年度版より)
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このように、そうじや整理整頓に関する意味づけをした後には、やらせ切り指導が大切だと考えます。
児童の下校の際には下駄箱まで付き添ってきちんと整頓されているかチェックします。また、移動教室などの際には児童が動き出す前に、机をそろえる声かけをするようにします。そのようにして、教師が指示しなくてもそろえられるまで指導をしていくようにします。児童が机や上履きをきちんとそろえられるようになることに比例して学級のまとまりも強まってくると考えています。
次回は掃除指導について紹介します。

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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