2014.07.22
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『あいさつ・返事の指導』

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

 

 前回より、新年度の学級づくりについて紹介をしています。今回はその中で「あいさつ・返事」の指導について紹介したいと思います。

 

 以前、ある研修会で「新しいビジネスマンが最高の仕事をするために、これだけはやってほしいこと」を1つだけ考えるという課題を出されたことがあります。100名ぐらいメンバーがいる中で、ほぼ全ての方が一番に「元気のよいあいさつ」を挙げていました。もちろん私も「あいさつ」を挙げました。やはり「よいあいさつ」は人としての基本で、その基本の上に学力や技能などのスキル面が備わるのだということだと思います。現在、小学校で教えていて、あいさつをきちんとできる子に育てていきたいといつも思っています。

 

そんな思いから年度初めには必ず「あいさつ・返事」の指導をするようにしています。しかし、単に「あいさつを元気にしなさい」「返事はきちんとしなさい」と言っても、なかなか子どもたちに意識化されません。あいさつや返事にはどんな意味があるのかということを意味づける必要があると思います。そこで、私がオリジナルで作っている「学級教科書」を活用して、学級活動の際に一緒に「あいさつや返事」についての意味を考えます。

 

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□「あいさつ」ってなんでしなければならないの?

みなさんは朝、おうちの人と、そして友だちや先生としっかりとあいさつができていますか? 気持のよいあいさつをしたいですね。

そもそもあいさつは、日本では今から2000年以上前から行われていたそうです。

さいしょは頭(たいせつなところ)を相手にさしだすことからおじぎがはじまったそうです。

あいさつはあいてへのれいぎでもあるし、友達のこころにえいようをあげることができます。

これからげんきなあいさつをしていきましょう。

 

<先生メモ>

ディズニーリゾートのスタッフはお客さんや仲間に会う時に心がけていることがあるそうです。それは、(1)笑顔 (2)あいさつ (3)アイコンタクト(目をみて)です。ディズニーリゾートが素敵な場所であるために、この3つは絶対に必要なんですね。それは、学校でもクラスでも同じことだと思います。

『ディズニーの教え方』(福島文二郎・中経出版より)

 

□(3)元気に返事をしなさいって言われるけど…

みなさんはこれまでに先生やお父さんお母さんから、「返事をしなさい!」と言われたことがないですか? 先生もみんなのころにはよく言われたものです。

返事もあいさつと同じでとても大切だと思います。もしみなさんがだれかに話しかけたのに返事をしてくれなかったらどんな気持ちになりますか? 返事は「あなたの話を聞くよ・あなたをみとめているよ!」というサインになります。

また、元気に「はいっ」というと自分の気持ちがひきしまってきます。新しい自分と出会うことができます。教室に元気な返事がとびかうようにしましょう。

 

<先生メモ>

 先生が教わっている先生が、良い返事にするには、「はい」のあとに小さい「つ」を言うようにするといいよと教えてくれました。「はいっ!」とみんなも返事をしてみましょう。きっと気持ちよく生活できるようになるよ。「はいっ」

 

(『菊池学級教科書』26年度版より)

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このように、「あいさつや返事」について、意味づけをした後には実践あるのみです。私も子どもたちと元気なあいさつや返事に取り組むようにしています。

 

しかし、これまでに大きな声であいさつや返事をしてこなかった子もいます。その子たちには、元気にあいさつができている子をモデルとして見せて、真似をさせるようにしています。教室に元気なあいさつ・返事が飛び交うようにこれからも継続して指導をしていきたいと思います。 

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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