2014.04.11
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『学習づくりスタート1週間』

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

  新年度がいよいよスタートした。この時期、教師は新しい学級をどんな学級にしようか、そしてそのためにどんな取り組みを行っていこうかということを考える時期である。新年度の準備をしながら学級経営の方針についても考えていくことが大切になる。

 

 私自身は新年度がスタートするとまず、「学級づくりスタート1週間」という計画を立てることにしている。年度当初の1週間で、担任としての思いを児童に伝え、児童にどんな学級にしていきたいかというイメージをもたせたいと考えている。そのためには、計画的に1週間の活動を考え、それを見える化しておく必要がある。

 

 今年度の私の作成した1週間の計画を紹介したい。

 

[事前準備]

(1)学級経営理念作成(指導のイメージづくり)

(2)清掃指導準備

(3)掲示物の準備(時間割・行事予定・清掃ボード・担任紹介・給食コーナーなど)

(4)「学級の教科書」作成

(5)自習学習ノートの準備

(6)学級通信の作成(家庭用)

(7)教務必携準備(ログノート)(授業・行事マネジメント)

(8)昨年度の担任の引き継ぎ確認

(9)教材の注文

 

[1日目]

(1)学級通信創刊号

(2)教師自己紹介

(3)基本的な指導スタイルを提示(・あいさつ、返事 ・いじめをしない ・話を聞く)

(4)配布物確認

(5)1年間の行事のイメージ

 

1日目は担任の自己紹介と基本的な約束事を伝えられるようにする。また、学校行事などを紹介し、学校生活に意欲をもたせるようにしたいと考えている。

 

[2日目]

(1)あいさつ・返事に関する指導(仁愛保育園ビデオ)

(2)座り方・話の聞き方

(3)ロッカー・靴箱の使い方

(4)机の整理の仕方

(5)ノートの使い方(ドリル学習)

(6)仮の係の決定

(7)理想の学級について(言われたくない言葉・言われたい言葉)

 

2日目は、年度当初の基本的な態度教育を実施する。あいさつの仕方や話の聞き方などについて丁寧に指導する必要があると感じる。指導のために、態度教育に力を入れている保育園のビデオをモデルとして参照するようにしている。

 

[3日目]

 

(1)日直の仕事について

(2)整列の仕方(2列・4列)

(3)写真撮影(校庭で)

(4)登下校の安全

(5)体育着の確認(発育測定)

(6)自習学習ノートの使い方

(7)1年生を迎える会の練習

(8)第1回Q-U実施

 

3日目は主に学級で集団生活を送るための指導のほか、「Q-U」という集団満足度を測るアンケートを行う。学級が現在どんな状態なのかを分析し、今後の方策を立てたいと考えている。

 

[4日目]

(1)背の順の並び方(バディーの確認)

(2)体育時の集合の仕方の確認(ドッジボールなど)

(3)1年生を迎える会の練習

 

4日目はだいぶ新しいクラスに慣れてきていると思うので、体育の時間を活用してドッジボールなどを楽しく行いながら、集団行動の指導を行う。

 

[5日目]

(1)1年生を迎える会の練習

(2)スクラップの仕方

(3)辞書引き学習の説明

(4)学級の係決定

 

 5日目は、学級の係を決定し、本格的に学級を機能させていく。また、私が重視している新聞学習(NIE)のスクラップや日常的な辞書の活用の仕方についても説明をして、2週目から実施できるようにしていく。

 

 このように、最初の1週間の活動を明確にしておくことで、学級づくりのスタートをスムーズに行うことができると考える。次回から、学級づくりの取り組みについて具体的に紹介していきたいと思う。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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