2014.09.17
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

叱り方って?褒め方って?

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV) 関田 聖和

 夏休み作品展も兼ねた学校公開デーや授業参観,

そして学級・学年懇談会が行われたのではないでしょうか。

今回は,学級・学年懇談会で話題にしたことをまとめてみます。

 

叱る?いや,怒る!です。

「いや,叱るなんて難しいよ。怒ってるよ!」

その人の周りでは,子どもが叱られて,外に放り出されたり,

叩かれて腫れ上がったりしている姿をよく見ると……。

 

 わたしも子どもの頃,近所で服を着せられず放り出され,

その子は,泣きながら,ごめんなさいと叫んでいる姿を見たり,

ある日の学校では,頭に包帯が巻かれている友人に,

「どうしたの?」

と聞くと,親に殴られて切れたと。

 ここには書けない姿も,いろいろ見てきました。

 しかし,そんなに叱らないといけないものなのかとなんだか,

もやもやしてきます。すると,怒ってるよ。と話してくれた人から,

「では,どうやって叱るの。」

と聞かれました。
 

 

叱るタイプは,4つに分かれる

 まず一番理解しなくてはいけないことは,子どものタイプに

よって叱り方は,変わるということです。

 大きく4つに分けてみましょう。

優等生タイプ
☆叱られると自信を失ってしまうタイプです。

 きつく叱らない方がよいでしょう。

 どうしてその行動が行けなかったのかを説明して

 あげるとよいでしょう。そしてどうすればよかったのかを伝えましょう。

引っ込み思案タイプ
☆叱る時には,行動に注目し,「それはダメよ。」と

 静かに伝えた方が良いタイプです。そして,どうすれば

 よかったのかを伝えましょう。そして,その行動が取れたら,

 すぐに褒め,抱きしめるのもよいでしょう。

チャレンジタイプ
☆叱られ強いので,「ダメ」としっかりと叱っても大丈夫なタイプです。

 どうしてその行動がいけなかったのかを分かりやすく短い言葉で

 説明してあげるとよいでしょう。そしてどうすればよかったのかを

 伝えましょう。人がどのようなことをすれば,嬉しいのかを

 説明することも良いでしょう。

わんぱくタイプ
☆ダメとはっきりと伝えることが大切なタイプです。

 不適切な行動はやめさせましょう。その不適切な行動をやめたところで,

 どうすればよいのかを短い言葉で説明しましょう。

 実際に手を添えて,行動を伝えるようにすることがポイントです。

 その行為ができたらすぐに褒めましょう。

 このタイプは,褒めることが一番効果的です。少し長い目で

 見てあげることが必要です。

これら4つのタイプ分けは,東北福祉大学の田上不二夫氏の記事から学びました。

だから,子どもを十把一絡げに,

こう叱ればいい!

こう話せばいい!

とは,言いきれないのです。

 ひとつ言えるとすれば,叱る行為に対して,

どうすれば良かったのかを説明し,出来ることであれば,

良い行動をさせてみること

だろうと考えています。

 

褒め方が分からない

 褒めろというけど,どう褒めればいいの。と言われたことがあります。

以前に,褒め言葉五十音一覧を作ったことがあります。

 

今の姿からのスタートで!

 

少々無理矢理もあります(苦笑)が,

褒めるための準備として用意することは,無駄ではありません。

 また,

結果を褒めるのではなく,過程を褒めると効果的だ

というエビデンスもあります。

 褒めることについては,今までも綴ってきました。

 

叱るよりも,褒めることを

 

「叩かれないと分からない」って,本当? 

 

 上記の叱ることと褒めることをまとめ,

チャート式やチェックリストにしたものを使って,

学級・学年懇談会で保護者さんと話をしました。

 事前に予告し,かつ,授業参観中に,懇談会予告ビデオを流したせいか,

ちょうど80パーセントの出席率となりました(笑)

 叱ること,褒めることについては,関心度が高いようです。

 

 そして次の日,たくさんの連絡帳をいただきました。

「当たってる!」
「弟にもしてみました。」 
「兄弟で違うタイプでした。」
「褒め言葉リスト,使います!」

などの感想がありました。

 保護者向けに行いましたが,行事が多い2学期だからこそ,

我々教師も,ちょっと立ち止まって,考えたいものです。

 

 

関田 聖和(せきだ きよかず)

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。

同じテーマの執筆者

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop