2014.07.11
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「何してんねん!」から「ふうん,そうくるかあ。」

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV) 関田 聖和

 いよいよ一学期も,終盤になりました。

もう少し子どもたちといたい!

早く来い来い夏休み!

どちらの気持ちも,ありですよね。

 実は今回の

「何してんねん!」から「ふうん,そうくるかあ。」

は,この夏休みに,市の研究会で取組を話すタイトルです。

 このように考えられるようになってからは,子どもたちのことで,

悩まなくなってきました。大人は,別ですが……(笑)

 

 

分からないと言われることが,分からない

 人生で初めて,学級担任を外れた年。

ある指導主事が教室訪問に来られました。

各教室を5分ほど見られて,次の教室へ。

このペースで,全クラス回られました。

 放課後,その指導主事から,各クラスの子どもたちについて,

次々と,コメントされました。

「お母さんとの関係は,どうですか。」

「この子は,兄弟がいて,末っ子ですね。」

と話され,たくさんの子どもの困り感について話されました。

 その内容は,わたしが長い間かけてやっと分かったことまでも……。

 どんどん話される中,わたしは,腹が立ってきました。

その指導主事と自分自身に……。

「たった数分見ただけで,何でこんなに,分かるんですか。」

と,少し怒りを抑えながら言いました。

すると,

「分からないと言われることが,分からない。

 子どもたちが伝えてますよ。」

と。

 

 

嫌でも見えてくる

 わたしは,その指導主事を見ながら,

悔しい気持ちでいっぱいでした。

 当時若かったですが,わたしもそれなりに

学級・授業づくりに頑張っていました。

 しかし,教師としての圧倒的な力の違いを見せられ,

その不甲斐なさから何を言えばよいのか分からなくなりました。

 指導主事が帰られるとき,

「どうやったら先生みたいに,子どもが発している

 見えないものを分かるようになるんですか。」

と,聞きました。すると一言,

「特別支援教育を勉強してごらん。嫌でも見えてくるよ。」

と,真顔でそしてすぐ笑顔で言われました。

 

 

「何しとんねん!」から「ふうん,そう来るかあ。」

 それから,通常の学級における特別支援教育について学び始めました。

 そして,学び始めて4年後に,S.E.N.S養成セミナーに通い,

今やS.E.N.S(特別支援教育士)5年目。

 学級づくりに特別支援教育の視点を取り入れて子どもたちと過ごしています。

「うまくやり過ぎたら,次の人が大変だよ。」

と言われてしまう私ですが,しかしそれを学校のスタンダードにできないかと,

思案し,学校づくりを意識して動いています。

 今は,様々な子どもたちが見せる姿に対して,

 「何しとんねん!」

と言うのではなく,

「ふうん,そうくるかあ。」

と思い,次の手立てをと……。

 あの指導主事が,おっしゃった意味が今,よく分かります。

分からないと言われることが,分からない……。

 子どもたちをよくみると,様々な発信をしています。

教師の一挙手一投足に,意味があるように,

子どもたちの一挙手一投足にも,意味があります。

 特別支援教育を勉強すると,見えないことが見えてきます。

 

 さて,この夏は,

教材・授業開発研究所 in 神戸

1日 菊池省三先生セミナーです。

 いっしょに学びませんか。

 よろしくお願い致します! 

  

関田 聖和(せきだ きよかず)

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。

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