全国各地で様々な授業研究会が行われています。教師にとって、他の先生の授業を参観することは何よりの勉強になります。
「自分だったらこの教材をどのように教えようか」
「この子をもっとのばしてあげる方法は無いのか」
など、考えながら参観することで、自分の指導に役立ちます。私もできる限り、研究会に参加し、授業を参観するようにしています。
しかし、いつも感じるのは、授業にいたるまでの経緯や、その先生がどのようなことを重点に指導をされてきたかということが見えにくいということです。もちろん、学習指導案に「指導観」や「単元計画」などが書かれており、文章で書き表されていますが、十分に伝わってきません。参観する方にとっては、1時間の授業のみから想像して、これまでの指導のあり方について考えることになります。このような状況を改善するために、授業を参観してもらう先生にもっと授業作りについて深く知ってもらう方法はないかということを考えてきました。
そのような中、1月31日に勤務校の研究発表会で国語の授業の担当をすることになりました。この機会に、参観される先生方に授業について深く知ってもらうための方法を考えてみることにしました。実践したいと考えていることは以下の通りです。
(1)授業実践パネルをつくって参観者の先生が、これまでのクラスでの指導の取り組みについてわかりやすくする。
→写真をたくさん盛り込んであるので、これまでの取り組みがビジュアル的にとらえられると思います。また、私の場合にはNIE(教育に新聞を)や辞書引き学習などの日々取り組んでいる実践についても知らせることができます。
(2)授業実践集をつくって、研究授業の時間にいたるまでの記録を参観者の先生に示す。
→児童のワークシートや授業の様子の写真を掲載することで、これまでの指導の流れが分かり、参観する授業を理解しやすくなると思います。
(3)学校のHPを活用して、事前の指導について発信する。
→授業参観をする前に授業の取り組みを知ることができ、当日参観をする視点を持つことができると思います。
これらの方法で、授業研究会をさらに実りのあるものにしていきたいと思います。

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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