本校では研究テーマとしてNIE(教育に新聞を)を取り上げ、読解力の向上を目指して学習指導の工夫を行っています。NIEはさいたま市全体で取り組むことになっていますが、まだまだ実践例は多くありません。特に低学年では「新聞は難しい」「新聞を授業でどう活用してよいか分からない」という声が多く聞かれます。今回、そのような声にこたえるべく、1年生の国語科でNIEの授業に取り組みました。
取り上げる教材は光村図書下巻の「じどう車くらべ」です。児童が大変興味を持つ自動車について、その「しごと」と「つくり」を読み取っていく教材であると言えます。最終的には、自分で調べた自動車について、例えば、
「キャリアカーはたくさんの車をはこぶじどう車です。そのために、車をのせることができるおおきなにだいがついています。」
という形で文章を書いていくようにするのが目標です。今回はこの単元に新聞の活用を盛り込んでみました。
盛り込んだNIEの視点としては以下の通りです。
1 新聞機能学習
・児童が作成する自動車新聞に「見出し」をつける工夫をさせるようにしました。見出しには大切な自動車の「しごと」や「つくり」が入っているようにするということを指導していきました。
・新聞記者を指導者に招聘し、「見出し」のつけかたのコツを指導していただきました。
2 新聞活用学習
・児童の興味関心を高めるために、自動車を扱っている新聞記事を提示するようにしました。
3 新聞制作学習
・単元を貫く言語活動として、「自動車新聞作り」を取り上げ、絵と文と見出しで構成をさせるようにしました。
以上のように、単元を通してNIEの視点をちりばめてみました。低学年でのNIE実践例として提示できればと考えています。
次回から、具体的に実践をレポートしたいと思います。

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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