本校では、さいたま市教委より特別支援教育の研究指定を受けて研究に取り組んでいます。特別支援学級等による指導の工夫をテーマに掲げ、通常学級においても特別支援的な視点を盛り込んだ授業作りを今後行っていく予定です。
そのスタートとして、特別支援学級での研究授業を行いました。私自身、特別支援学級の授業を参観するのが初めての経験でしたので大変参考になりました。授業は算数で、5人の児童がたし算に取り組みました。算数的な活動も取り入れており、輪投げで輪が入った数をたし算で求めるという学習でした。
授業を参観して、子どもたちがよりよく学習に参加できるようにするための工夫をたくさん発見することができました。
・学級5人を能力別に2チームに分けて、TTで指導を行う。
・児童が輪投げを行う際の立ち位置を明確に示し、児童が迷わないようにする。
・輪投げで輪が入った数を書かせる前にシールで示し、児童が迷わないようにしている。
・1回目の色は赤、2回目の色は青というように、輪投げの輪も同じ色にして、たし算を理解しやすくしている。
・それぞれのグループの間につい立てをしてお互いのグループが刺激をし合わないようにしている。
・掲示などを最小限にして、刺激を少なくしている。
など、たくさんありました。これらの工夫は、通常学級でも使えるものが多いと感じまし
た。子どもたちが、1回目の輪の数と2回目の輪の数を数えて、うれしそうに合計を求め
ている姿を見て大変感動しました。
今後、本校の研究として、今回の授業では児童同士の学び合いの場面がなかったので、協議会では、特別支援学級として学び合いにも取り組んでほしいと意見を述べました。次回は児童同士が生き生きと他の児童の輪を数えたり、児童同士が一緒に計算をしたりする姿も見てみたいと感じました。
次回、私が1年生の国語授業に取り組みます。今回、学んだことを生かして、授業作りに取り組んで行きたいと考えています。

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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