9月1日は防災の日です。90年前に関東大震災で甚大な被害を受けたことからこの日が防災の日として制定されました。毎年、避難訓練や防災講演会などの催しが行われています。本校でも、始業式のあった9月2日に全校一斉にシェイクアウト訓練・避難訓練、そして保護者と協力した引き渡し訓練を行いました。児童は、一所懸命に取り組み、避難の経路や避難時の約束などをきちんと理解することができました。
毎年、避難訓練を数回行ってはいますが、児童がいかに実感をもってこれから防災意識を高めて行くかということが課題としてあります。地震などの災害に対してどこかで他人事になっているところがあり、自分の身に降りかかってきたことをなかなか想像することができません。そこで、学校の中の教育活動において防災を意識した取組を行っていく必要があると考えています。
今年度も、防災を意識させるための取組がいくつか行われています。まずは、給食で防災メニューを出す実践が行われました。校内にある備蓄倉庫に保管されている「アルファ化米」や「乾パン」が給食のメニューに出され、児童に詳しい説明をしてから味わわせるようにしました。児童は、
「けっこうおいしいよ。」
「乾パンだけで終わりじゃいやだなあ」
「水やお湯でどうしてこんな風にご飯ができるの?」
など、口々に感想を述べていました。給食の後に、備蓄倉庫の説明をし、学校が避難所になっていることなども理解することができました。
取組の2つ目は、NIEとの連動です。新聞には災害の情報が多く掲載されます。災害で被害を受けた情報や災害に備える方法など、多岐にわたっています。本校では新聞を活用した時間を設けているので、その時間に防災に関する記事を読ませる活動を行いました。ちょど、始業式直後に県内で竜巻の被害が出ましたので、詳しい内容を新聞写真や記事で児童と話し合いをしました。
これからも、継続的に防災教育に取り組み、日常的に児童の防災意識を高めていけるようにしたいと考えています。

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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