「そんなん,できへん!」
「無理!」
前回の記事に少し関連しますが,言葉の遣い方から……。
ちょっとした,脳へのマジックです。
誰のことを言っているのか分からない
毎日進化する脳の研究で,
自分が発した言葉をそのまま鵜呑みにしてしまう
ということが分かってきたようです。
例えば,取り組む前から,
「できない」
「無理」
と言うと,脳がそちらへシフトするというのです。
これは,避けたいことがらではあるのですが,
もっと恐ろしいのは,
悪口
なのです。
「失敗すればいいのに……」
「あんなやつ……」
この悪口を鵜呑みにしてしまいます。
そして誰に言っているのか,脳は理解していません。
脳は,
自分が言われた!
と,判断するのです。
詳しく言うと,大脳新皮質は,理解できるようなのですが,
それ以外の部分。いわゆる進化してくる以前の脳の部分,
古い脳と言っても良いのでしょうか。
その部分が丸々そのまま理解するのです。
魔法の言葉「まだ」
人をけなしてしまう人ほど,自己嫌悪に陥りやすいと言います。
これは,脳の作用によるものなのです。
悪口は,もちろんダメです。これは,子どもたちも容易に理解できます。
そして,この話をすると,感じ入る子どもは,大きく頷いて聞いています。
学習課題に対して,やる前から,
「出来ない」
「分からない」
「無理」
と言うと,本当にそうなってしまいます。
だから,子どもたちには,
まだ,分からないと言いなさい。
と指導しています。
できる!必ずできる!
ブラス面やこうなりたいと思っていることを
口に出した方がいい
のも,このためです。
「まだ,できない」
に,
「できる!必ずできる!」
と,付け加えても良いかもしれません。
ちょっとしたことで,くじけてしまう子どもがいます。
魔法の言葉「まだ」。
普段つけている言葉に,付け足しをさせたいものです。
関田 聖和(せきだ きよかず)
兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。
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