夏休みも第2週に入りました。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
わたしは,新しい家族と共に,賑やかな毎日を過ごしています。
今回は,先生も,おうちの方にも,参考にしていただける内容にしました。
冷たい麦茶でもお飲みながら,読んでいただけると幸いです。
作文,きたぁ!
夏休みの宿題には,
・読書感想文
・理科や社会の自由研究
・絵日記
・夏休みの作文
など,文を書く課題がたくさん出されます。
読書感想文については,読書感想文攻略法 で,書かせていただきました。
ポイントは,
いきなり原稿用紙に書かない
ことです。今回もこのポイントは,同じです。
取材活動が決め手
夏休みの作文,絵日記をターゲットにして,文を進めます。
例えば旅行をしたことを書くことにします。
朝起きて,わくわくした。
車に乗った。着いた。
始めに,○○へ行き,次に△△に行きました。
と,順番に書いてしまっても,書くことができるのだけれども,何だかまとまりのないものになります。
作文完成の最大ポイントと言っても良いぐらいの約束事は,
それぞれの出来事ごとに,取材メモをつくる
のです。
つまり作文に書くことの出来事に対して,取材活動を取り入れます。
この取材メモが集まれば集まるほど,豊かに,かつ,長い文章が綴れるのです。
書くために,写真やパンフレットなどを手元に
旅行して帰ってきました。すぐに作文を書くというお子さんは,少ないかも知れません。
記憶だけに頼ってしまうと,なかなか思い出せないものです。
これは,単純にワーキングメモリーの課題だけで無く,
人間は,脳内での情報処理のために,
1時間経つと50%忘れ,
一週間経つと,実に70%を忘れてしまうそうです。 (エビングハウスの忘却曲線)
だから,旅行で撮った写真やもらったパンフレットから,取材メモをつくります。
1枚の写真に,2,3個の取材メモで良いです。40から60字で充分です。
作文の構成,そして,書く!
取材メモを並べて,書く順番を決めます。
これを構成と呼びます。
そして取材メモを基に,文を書きます。
もちろん,取材メモをそのまま書き進めても良いのですが,
少しだけ詳しく説明を付け加える
と,より分かりやすく,長い文章になります。
必ずやりたい,読み直し
取材メモを使って,作文を書き終えました。
やったあ!できた!
とここで作文を手放すのは,少しもったいないのです。
全部書くことができたら,
必ず読み返し
ます。すると,
・あっ,漢字を間違えている。
・一文字,抜けてた。
という校正のレベルから,
ここは,違う表現を使った方が良いなあ。
この部分は,後から書くようにした方が,良く伝わるぞ。
と,推敲レベルの書き直しをすることができます。
実は,手順が……。
国語を研究される先生方なら,ここまで進んだら,交流という言葉を使われることでしょう。
そうなのです。現行の学習指導要領にも示されているのですが,
課題設定・取材 → 構成 → 記述 → 推敲 → 交流
と書き進めていくための手順があります。
そしてどの過程を重要視するかによって,教科書教材が選ばれ,掲載されています。
もちろん,この5段階を一方通行で進むのではありません。
構成をしていると,もう少しここを詳しくしたいなと感じると,取材メモを増やすことでしょう。
推敲をして,表現を改めようとすると,記述,つまり書きます。
これらがぐるぐると回って,最後に読み手へ伝える,交流となるのです。
特別支援教育の視点を学び続けていると……
実は,この作文の過程は,特別支援教育の視点とよく似ています。
いきなり,
書きなさい!
ではなく,
写真を使って想起したり,
遠足のしおりなどを見ながら,教師が説明したり
して,作文を書かせています。
特別支援教育の視点を学び続けていると,
どの子どももできるようになるのではないか
と考え,この夏も大いに研鑽し,実践を積んでいきたいです。
関田 聖和(せきだ きよかず)
兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。
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