2013.08.01
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必ずできる! 作文を書くこつ!

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV) 関田 聖和

 夏休みも第2週に入りました。みなさんいかがお過ごしでしょうか。

わたしは,新しい家族と共に,賑やかな毎日を過ごしています。

今回は,先生も,おうちの方にも,参考にしていただける内容にしました。

冷たい麦茶でもお飲みながら,読んでいただけると幸いです。

 

 

作文,きたぁ!

 夏休みの宿題には,

・読書感想文

・理科や社会の自由研究

・絵日記

・夏休みの作文

など,文を書く課題がたくさん出されます。

読書感想文については,読書感想文攻略法 で,書かせていただきました。

ポイントは,

いきなり原稿用紙に書かない

ことです。今回もこのポイントは,同じです。

 

 

取材活動が決め手

 夏休みの作文,絵日記をターゲットにして,文を進めます。

例えば旅行をしたことを書くことにします。

 

朝起きて,わくわくした。

車に乗った。着いた。

始めに,○○へ行き,次に△△に行きました。

 

と,順番に書いてしまっても,書くことができるのだけれども,何だかまとまりのないものになります。

作文完成の最大ポイントと言っても良いぐらいの約束事は,

それぞれの出来事ごとに,取材メモをつくる

のです。

つまり作文に書くことの出来事に対して,取材活動を取り入れます。

この取材メモが集まれば集まるほど,豊かに,かつ,長い文章が綴れるのです。
 

 

書くために,写真やパンフレットなどを手元に

 旅行して帰ってきました。すぐに作文を書くというお子さんは,少ないかも知れません。

記憶だけに頼ってしまうと,なかなか思い出せないものです。

これは,単純にワーキングメモリーの課題だけで無く,

人間は,脳内での情報処理のために,

1時間経つと50%忘れ,

一週間経つと,実に70%を忘れてしまうそうです。 (エビングハウスの忘却曲線)

だから,旅行で撮った写真やもらったパンフレットから,取材メモをつくります。

1枚の写真に,2,3個の取材メモで良いです。40から60字で充分です。 

 

 

作文の構成,そして,書く!

 取材メモを並べて,書く順番を決めます。

これを構成と呼びます。

そして取材メモを基に,文を書きます。

もちろん,取材メモをそのまま書き進めても良いのですが,

少しだけ詳しく説明を付け加える

と,より分かりやすく,長い文章になります。

 

必ずやりたい,読み直し

 取材メモを使って,作文を書き終えました。

やったあ!できた!

とここで作文を手放すのは,少しもったいないのです。

全部書くことができたら,

必ず読み返し

ます。すると,

・あっ,漢字を間違えている。

・一文字,抜けてた。

という校正のレベルから,

ここは,違う表現を使った方が良いなあ。

この部分は,後から書くようにした方が,良く伝わるぞ。


と,推敲レベルの書き直しをすることができます。


実は,手順が……。

国語を研究される先生方なら,ここまで進んだら,交流という言葉を使われることでしょう。

そうなのです。現行の学習指導要領にも示されているのですが,

課題設定・取材 → 構成 → 記述 → 推敲 → 交流

と書き進めていくための手順があります。

そしてどの過程を重要視するかによって,教科書教材が選ばれ,掲載されています。

もちろん,この5段階を一方通行で進むのではありません。

構成をしていると,もう少しここを詳しくしたいなと感じると,取材メモを増やすことでしょう。

推敲をして,表現を改めようとすると,記述,つまり書きます。

これらがぐるぐると回って,最後に読み手へ伝える,交流となるのです。

 

 

特別支援教育の視点を学び続けていると……

 実は,この作文の過程は,特別支援教育の視点とよく似ています。

いきなり,

書きなさい!

ではなく,

 

写真を使って想起したり,

 

遠足のしおりなどを見ながら,教師が説明したり

 

して,作文を書かせています。

特別支援教育の視点を学び続けていると,

どの子どももできるようになるのではないか

と考え,この夏も大いに研鑽し,実践を積んでいきたいです。

 

関田 聖和(せきだ きよかず)

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。

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