2013.06.26
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子どもを発達でみる

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV) 関田 聖和

この記事が公開される頃は,4泊5日の宿泊学習に出かけています。

その取組の中で,少しずつですが,一人ひとりの子どもとの縦糸が,

太くつながり始めたかなと感じ始めています。

 子どもたちと様々な活動で関わりながらも,

一喜一憂せずに(してしまいがちですが……)子どもの伸びを見ています。

そんなわたしもついつい,子どもの出来,不出来をみてしまいます。

 そこで,わたしが心がけている2つの視点を紹介します。
 

 

「鍛えていないから」なのか……

 子どもたちをよく見ていると,出来る過程に,ばらつきがあります。

場合によっては,時間も方法も違う場合があります。
 

 ものさしを使うシーンを想像してみましょう。

 高学年ですと,いろいろな方法を工夫して,様々な場所の長さを測ることが

出来るでしょう。

 しかし,低学年になると,目盛りと目盛りの間に測るところがきてしまっても,

あんまり関心が無いようですし,何より,ものさしを片方の手で支えて,

もう一方の手で線を引くとなると至難の業です。

「鍛えていないからだ!」

なんて,言われる方もおられるかもしれません。

本当にそうでしょうか。

 

子どもを発達でみる

 トレーニングをし続ければ,どんなことも出来るようになるでしょう。

その行動に対して,脳や体の回路が作られるからです。

でも低学年は,時間がかかることでしょう。

 まだ左右に対して,はっきりしない,左右ばらばらに体を動かすことが,

未発達の一年生には,ものさしを正しく使えないことに対して,

「なぜできないんだ!」

と叱ってしまうのは,どうかなって思ってしまいます。
 

 音楽で使う楽器が良い例です。

1,2年生は,鍵盤ハーモニカをよく使うのではないでしょうか。

 片手で弾いて,

もう片方は,動かさずに鍵盤ハーモニカを支えていることでしょう。

 2本の手を使ってはいますが,常に動いているのは,片手です。

 そして利き腕が決まると言われている9歳に,リコーダーが登場します。

左右ばらばらに指を動かします。この年齢の発達になると,左右をはっきり

認識することが出来てきます。

 こうして脳や体の発達を見て,子どもを指導して欲しいと,

関西国際大学の中尾繁樹先生は,よくおっしゃられます。

 子ども理解とは,子どもの発達のプロセスを知って指導すること

そうです。子どもを発達でみるのです。

 

伸びたか,伸びてないか

 わたしは,「楽笑」という教育サークルに所属しています。

先輩方,そして勢いのある若手から,学ばさせてもらっています。

 同じメンバーの俵原正仁先生(教材・授業開発研究所 笑育部会代表)もよく,

「子どもをできた,できていないかではなく,

 伸びたか,伸びていないかで,みましょう。」

と話されます。

 子どもの発達は,千差万別です。学び方も違います。

だからこそ,大人の視点では無く,

・伸びたか,伸びていないか

 ・子どもの発達のプロセスを知って指導する

この2点は,わたしの子どもをみる視点の柱になっています。
 

 さて,この俵原先生や「楽笑」の代表,教材・授業開発研究所 Flash部会代表でもある

金川秀人先生。そして,音読指導,学級づくり,歌唱指導で有名な富山県の

中井隆司先生をお招きして,

教材・授業開発研究所 in 兵庫 2013夏セミナー を行います。

http://kokucheese.com/event/index/90480/

 この夏,よろしければ,ご一緒しませんか。



 

関田 聖和(せきだ きよかず)

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。

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