4学年の国語科の学習で「アップとルーズで伝える」という単元の学習で、アップとルーズという写真の撮り方を対比させ、その特徴について説明をしていく言語活動を行いました。子どもたちは長年新聞写真を撮り続けてきたプロの新聞記者さんに詳しく教えていただいた新聞写真の探し方をもとに、自分で紹介したい写真を選びました。
最初は、どの写真を選んでよいか迷う児童が大勢いるかもしれないと考えていましたが、全員が自分で紹介したい写真を見つけることができました。これまでの記者さんの授業や、普段からの新聞に親しむ活動を行っていることで、新聞を活用することに慣れてきたのだと感じています。
アップの写真では、気象衛星が撮影した地球にかかる台風の様子やスポーツ選手の活躍する様子、本の作者の顔写真などがありました。また、ルーズの写真は景色の写真が多くありました。児童は発表を行いながら、その写真を通して撮影した記者さんがどのようなことを伝えたいかということも考えることができました。
授業後の児童の感想を聞くと、
「記者さんの授業や、自分で新聞を選ぶ活動が楽しかった。」
「みんなの集めた記事(写真)のことがよく分かった。発表も上手にできた。」
「発表ができて楽しかった。もう1回こういう日が来てほしいと思った。」
という声がありました。きっと、自分が主体的に紹介したい新聞写真を集めたからではないかと思います。新聞には子どもたちをやる気にさせる要素がたくさん詰まっているとあらためて感じました。
今後も新聞の活用を進めていきたいと思います。

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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