2013.01.31
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今の姿からのスタートで!

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV) 関田 聖和

 1月も,もう終わりますね。

 勝利というのは,言葉としては合っていないのかも知れませんが,

わたしの勤めている学校の3学期は,53日間あります。

 多くのベテラン教師が年度当初から意識していることは,

3学期の終業式までに, 

どれだけ子どもに力が付いているのか

ということです。

 そのために今,4月を振り返って現状を見つめ直したり,

手立ての計画を立て直したりします。

 いわゆる学級づくり案の振り返りです。

 年配の先生になると,

頭に入っている!

その場その場でとか,

指導案なんか……

という方もおられるようですが,わたしは,立てて臨むことが多いです。

 勝ち負けでは無いのですが, 

勝利からの逆算

をするのです(笑)

 さて、あと2か月……。

 

指導と評価の一体化

 3学期の終業式には,子どもの姿が

勝利した姿になっている!(笑)

と感じたいです。

 まずは,現状把握です。1週間が過ぎたので,もう見えています。

学習面,生活面,学級集団として,学習集団として……。

 しかし,

「ああ,目標とほど遠い……。」

って,嘆くことは全くありません。

 なぜなら,4月に立てた目標から遠かったら,それは,

目標が悪い

のです。だから,目標の立て直しをします。

 指導と評価の一体化ということで……(笑)

 そして学級の立て直し,つまり「ダブル立て直し」です。

 もしも,目標はすでに達成しているならば,

次の目標を立てて取り組まないと,惰性の学期になってしまうかも知れません。

 3学期終業式の姿を見据えて,勝利からの逆算です。

4月に立てた計画案には,ほど遠く……なんて,落ち込む必要はありません。

4月に立てた計画案以上だ!と喜びすぎるのも,?です。

いいんです。いいんです。

今の姿からのスタートで!

でも,ゴールをはっきりしないと,迷走状態になりますから,

冬休みの課題をチェックしながらでもいいので,ゴールの姿をイメージし,

そこから,手立てをもう一度再チェックしましょう。

 3学期も1月を終えようとしている今,このチェックは,毎週でも

良いのかも知れません。
 

 

ポイントは,行為を褒めること

 先日,あるドクターとお話をして来ました。

終始出てきた言葉が,

「褒めてください」

でした。

「ひぃくん,すごいね。」

と人物を褒めることもあるでしょう。もちろん,悪いわけではありません。

でもこれを

「ひぃくん,自分で片付けられるようになったの。すごいね。」

行為を褒めます。または,

「ひぃくん,前は,ここまで できてて,

 今日は,これだけできるようになったんだね。すごいね。」

と,伸びたことを褒めるのです。

行為を具体的に褒めることで,

増やしたい行動が強化されます。

できれば,やろうとした時点から褒められるといいですね。
 

 

褒める言葉の切り出しの言葉 

 昨年,ある幼稚園の保護者の方へ講演をさせてもらったときに,

褒め言葉を考えてもらいました。わたしも,次のようなものを提示しました。

 褒め言葉リスト 五十音順

…… あなた,がんばってるなあ …… 抜きんでてるなあ
…… いいね いい感じ いえい! …… ねばってるなあ 熱中してる姿いいね
…… うれしい うわぉ …… のってるなあ  伸びたなあ
…… ええなあ …… はやいなあ パワーあるなあ
…… おもしろい …… びっくりした
…… かっこいい かわいい 頑張ってるなあ …… フォローがいいね
…… きれい 気合い入ってる! …… へこたれんなあ ベテランやなあ
…… 苦労してがんばったなあ …… 本気出したり 本ちゃんやなあ
…… 健闘したな 賢者やなあ …… まじめやなあ
…… これ,いいね …… 見違えるなあ
…… さすが …… むすこ(むすめ)にしたいなあ
…… しっかりしてる 秀才 …… めっちゃすごい
…… すてき すばらしい …… ものすごいやん
…… 先生みたいやね …… やるなあ やったあ
…… そうやなあ …… ユニークやね ゆかいやなあ
…… 達者やなあ たいしたもんだ …… よし よっしゃぁ
…… 違いを見せつけるなあ …… 楽勝やね
…… 強いなあ …… 立派
…… 天才 …… ルンルン気分
…… トップや …… 礼儀正しいね 冷静やなあ
…… なかなかやるなあ …… 朗々とした声やね
…… 似合ってるね …… わたしの先生やなあ 忘れずにしてるなあ わお

これ以外にもありますが,褒め言葉を言った後に,先述した

行為 と 伸びたこと

を褒めることを忘れてはいけません。

 そして,褒める言葉で,どの子どもたちも,心が温かい集団にしたいものです。

関田 聖和(せきだ きよかず)

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。

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